アガリ・緊張ってどんな時に起きるのでしょうか。
わたしの場合は「うまくやりたい」という考えで頭がいっぱいになって目の前の音楽から意識が離れたとき起きるパターンが多いかもしれません。
「どうやったらこの音楽の良さが聴いてる人に伝わるかな?」と思ってるときはそうでもないのです。
音楽そのものに意識があるからでしょうか。
このうまくやりたいという思考は「ミスをしたくない」「誰かからいい評価を受けたい」など、音楽と無関係なことを考えているときに出てきやすいものです。
他にも「この指はこう動かしたいな」「さっきのミス、なぜ起きたんだろうか」なども音楽そのものには関係のない思考。
こういう分析や動きのコントロール調整は練習の段階でするべきことですよね。
何もわざわざ本番中に行う必要はありません。
本番中に起きたことの分析と反省は舞台から降りた後ですればいいのですから。
反対に本番中に最優先に考えたいのは、これから演奏する部分をどう聴いてる人に伝えるかでしょう。
それに、聴いている人はミスしたことを反省して縮こまってる姿を見たいでしょうか?
時間とお金をかけてわざわざ聴きに来てくれるのはなぜでしょう。
過去に聴きに来てくれた人に尋ねてみるのも良いかもしれません。
「頑張っている姿を見たいから」
「真剣に向き合ってる人の演奏を聴くことで楽しいだけじゃない深いものに触れたいから」
「応援したいから」
そういう意見が多いのではないでしょうか。
だって考えてみたら自分も誰かの演奏を聴く時にミスをするかしないかなんてどうでもいいですもんね!
では、ミスをしないで上手く演奏したいのはなぜなのでしょうか。
ミスをしないことが目的なのではなく、自分が素敵だなと思う作品の魅力を伝えたいとか、誰かをお祝いしたいとか、何か肯定的な意図があるのではありませんか?
「誰さんからいい評価を受けたい」「自分のかっこよさ・上手さを見せびらかしたい」というのは気持ちとしてあったとしてもそれは表面的な欲求であり、限られた人生の中で長い時間をかけて演奏を探究する動機として深いところにある本心ではないでしょう。
本心では共感してくれる音楽仲間が欲しいのかもしれないし、応援してくれる人に頑張っている姿を見てもらいたいのかもしれません。
また、聴く人は吹いてるあなたが上手かカッコいいかより、どういう姿勢で音楽に向き合っているのかが見たいのではないでしょうか。
カッコいい人がみたければアイドルや芸能人がいます。
何のために演奏するのか、本当は何がしたいのか、一度自分の心に問い直すのは役立つかもしれませんよ!