アレクサンダーテクニーク 思考と心 本番 練習

ミスの反省を本番中にしない

アガリ・緊張ってどんな時に起きるのでしょうか。

わたしの場合は「うまくやりたい」という考えで頭がいっぱいになって目の前の音楽から意識が離れたとき起きるパターンが多いかもしれません。

「どうやったらこの音楽の良さが聴いてる人に伝わるかな?」と思ってるときはそうでもないのです。

音楽そのものに意識があるからでしょうか。

このうまくやりたいという思考は「ミスをしたくない」「誰かからいい評価を受けたい」など、音楽と無関係なことを考えているときに出てきやすいものです。

 

他にも「この指はこう動かしたいな」「さっきのミス、なぜ起きたんだろうか」なども音楽そのものには関係のない思考。

こういう分析や動きのコントロール調整は練習の段階でするべきことですよね。

何もわざわざ本番中に行う必要はありません。

本番中に起きたことの分析と反省は舞台から降りた後ですればいいのですから。

反対に本番中に最優先に考えたいのは、これから演奏する部分をどう聴いてる人に伝えるかでしょう。

それに、聴いている人はミスしたことを反省して縮こまってる姿を見たいでしょうか?

時間とお金をかけてわざわざ聴きに来てくれるのはなぜでしょう。

過去に聴きに来てくれた人に尋ねてみるのも良いかもしれません。

「頑張っている姿を見たいから」

「真剣に向き合ってる人の演奏を聴くことで楽しいだけじゃない深いものに触れたいから」

「応援したいから」

そういう意見が多いのではないでしょうか。

だって考えてみたら自分も誰かの演奏を聴く時にミスをするかしないかなんてどうでもいいですもんね!

では、ミスをしないで上手く演奏したいのはなぜなのでしょうか。

ミスをしないことが目的なのではなく、自分が素敵だなと思う作品の魅力を伝えたいとか、誰かをお祝いしたいとか、何か肯定的な意図があるのではありませんか?

「誰さんからいい評価を受けたい」「自分のかっこよさ・上手さを見せびらかしたい」というのは気持ちとしてあったとしてもそれは表面的な欲求であり、限られた人生の中で長い時間をかけて演奏を探究する動機として深いところにある本心ではないでしょう。

本心では共感してくれる音楽仲間が欲しいのかもしれないし、応援してくれる人に頑張っている姿を見てもらいたいのかもしれません。

また、聴く人は吹いてるあなたが上手かカッコいいかより、どういう姿勢で音楽に向き合っているのかが見たいのではないでしょうか。

カッコいい人がみたければアイドルや芸能人がいます。

何のために演奏するのか、本当は何がしたいのか、一度自分の心に問い直すのは役立つかもしれませんよ!

完全無料

*ezweb・vodafone・softbank.ne.jp・hotmailからのご登録の場合、文字化けやメールの配信エラーが大変多くなっております。恐れ入りますが、それ以外のアドレスからご登録をお願いいたします。

  • この記事を書いた人

有吉 尚子

1982年栃木県日光市(旧今市市)生まれ。小学校吹奏楽部にてクラリネットに出会い、高校卒業後19才までアマチュアとして活動する。20才のときに在学していた東京家政大学を中退し音大受験を決意。2003年洗足学園音楽大学入学。在学中から演奏活動を開始。 オーケストラや吹奏楽のほか、CDレコーディング、イベント演奏、テレビドラマBGM、ゲームのサウンドトラック収録など活動の幅を広げ2009年に洗足学園音楽大学大学院を修了。受講料全額助成を受けロシア国立モスクワ音楽院マスタークラスを修了。  及川音楽事務所第21回新人オーディション合格の他、コンクール・オーディション等受賞歴多数。 NHK「歌謡コンサート」、TBSテレビドラマ「オレンジデイズ」、ゲーム「La Corda d'Oro(金色のコルダ)」ほか出演・収録多数。 これまでに出演は1000件以上、レパートリーは500曲以上にのぼる。 レッスンや講座は【熱意あるアマチュア奏者に専門知識を学ぶ場を提供したい!】というコンセプトで行っており、「楽典は読んだことがない」「ソルフェージュって言葉を初めて聞いた」というアマチュア奏者でもゼロから楽しく学べ、確かな耳と演奏力を身につけられると好評を博している。 これまでに延べ1000名以上が受講。発行する楽器練習法メルマガ読者は累計5000名以上。 現在オーケストラやアンサンブルまたソロで演奏活動のほか、レッスンや執筆、コンクール審査などの活動も行っている。 「ザ・クラリネット」(アルソ出版)、吹奏楽・管打楽器に関するニュース・情報サイト「Wind Band  Press」などに記事を寄稿。 著書『音大に行かなかった大人管楽器奏者のための楽器練習大全』(あーと出版)を2023年8月に発売。Amazon「クラシック音楽理論」カテゴリーにて三週間連続ベストセラー第一位を獲得。 BODYCHANCE認定アレクサンダーテクニーク教師。 日本ソルフェージュ研究協議会会員。音楽教室N music salon 主宰。管楽器プレーヤーのためのソルフェージュ教育専門家。クラリネット奏者。

-アレクサンダーテクニーク, 思考と心, 本番, 練習

Copyright © 2022 聴く耳育成協会 All Rights Reserved.