アレクサンダーテクニーク 思考と心 練習 身体の仕組み

指の動きを勘違いしてませんか?

速いパッセージで指回りが上手くできないという場合、もしかしたら指の動かせる場所を勘違いして動かないところを一生懸命動かそうとしているのかもしれません。

たとえば自分の手のひらを見てみましょう。

指の付け根ってどこでしょうか?

実は先端から3番目のシワのよってる部分ではないのです。

手相で感情線と呼ばれる横の線、ここが指の付け根です。

先端から3番目のシワのところは指の骨の途中ですから、そこを動かそうとしたらちょっと不自由な感じがしませんか?

手を横から見たらわかるように、指の動きの起点はここなのです。

それでは本来の関節と見せかけの関節、両方をそれぞれ動かしてみて演奏時の快適さを比べてみましょう!

スピードも動きのストレスも疲れ方も全然違うでしょう。

もうひとつの例を挙げてみましょう。

指回りといえば話題は指に集中しがちですが、手首も指回りに関係しているのです。

バイバイの動き、おいでおいでの動き、これは手首で出来ます。

でも手のひらと甲をひらひらと裏表させる動作、これは手首の動きではありません。

これはひじ関節の動きです。

無意識でうまくいっているときは問題ありませんが、楽器の練習など意識的に動作を行う場合に、動かないところをむりやりに動かそうとすると、人間の身体は優秀ですから構造的に無理でもそれを行おうとします。

でも。

動かないようにできている部分は頑張ってもやはり動かず、ムダに疲れたり痛くなったり、それでもさらに動かそうとすればケガにつながります。

レッスンのときに「指が動きにくい」という生徒さんに「どこを動かそうとしてますか?」と訊いてみると、動かない部分を関節だと信じてそこを動かそうと努力している、というパターンも結構あるもの。

これではいくら時間をかけて練習してもうまくいくわけはありません。

身体の構造を正しく知っているというのは、そういうムダを省いたりケガを防いだりできるという点でとても役に立ちますよ!

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  • この記事を書いた人

有吉 尚子

1982年栃木県日光市(旧今市市)生まれ。小学校吹奏楽部にてクラリネットに出会い、高校卒業後19才までアマチュアとして活動する。20才のときに在学していた東京家政大学を中退し音大受験を決意。2003年洗足学園音楽大学入学。在学中から演奏活動を開始。 オーケストラや吹奏楽のほか、CDレコーディング、イベント演奏、テレビドラマBGM、ゲームのサウンドトラック収録など活動の幅を広げ2009年に洗足学園音楽大学大学院を修了。受講料全額助成を受けロシア国立モスクワ音楽院マスタークラスを修了。  及川音楽事務所第21回新人オーディション合格の他、コンクール・オーディション等受賞歴多数。 NHK「歌謡コンサート」、TBSテレビドラマ「オレンジデイズ」、ゲーム「La Corda d'Oro(金色のコルダ)」ほか出演・収録多数。 これまでに出演は1000件以上、レパートリーは500曲以上にのぼる。 レッスンや講座は【熱意あるアマチュア奏者に専門知識を学ぶ場を提供したい!】というコンセプトで行っており、「楽典は読んだことがない」「ソルフェージュって言葉を初めて聞いた」というアマチュア奏者でもゼロから楽しく学べ、確かな耳と演奏力を身につけられると好評を博している。 これまでに延べ1000名以上が受講。発行する楽器練習法メルマガ読者は累計5000名以上。 現在オーケストラやアンサンブルまたソロで演奏活動のほか、レッスンや執筆、コンクール審査などの活動も行っている。 「ザ・クラリネット」(アルソ出版)、吹奏楽・管打楽器に関するニュース・情報サイト「Wind Band  Press」などに記事を寄稿。 著書『音大に行かなかった大人管楽器奏者のための楽器練習大全』(あーと出版)を2023年8月に発売。Amazon「クラシック音楽理論」カテゴリーにて三週間連続ベストセラー第一位を獲得。 BODYCHANCE認定アレクサンダーテクニーク教師。 日本ソルフェージュ研究協議会会員。音楽教室N music salon 主宰。管楽器プレーヤーのためのソルフェージュ教育専門家。クラリネット奏者。

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