よく言われる「耳が良い、悪い」って生まれつきのものでしょうか?
有吉尚子です。こんにちは!
聴力が優れている、というのは生まれつきのものもあるでしょう。
ただ、音楽において耳が良いというのは小さな音が聞き取れるという意味ではありません。
・細かい複雑な音形を聞き取れる
・些細な和音や音質の変化を聞き分けられる
・たくさんの声部を聞き分けられる
そういった意味で使われます。
そして、そういう感覚の繊細さというのは生まれつき持てるようなものではなく、たくさんの経験を繰り返してだんだん研ぎ澄ましていくものです。
たとえば、子どもは味覚がまだ大雑把で濃い味を好みますよね。
大人の舌は繊細な味の感じ分けをしますが、子どもにはその感覚がまた未開発なので感じられないから、薄味で香りを楽しむような料理は好みません。
チョコレートなのかクッキーなのかはわかっても、このチョコレートはあっちのチョコレートより少しビターだからカカオが多めかな?なんていう違いはごく小さな子どもにはわからないものです。
でも、成長するにつれて段々色んな味を感じ分けるようになりますよね。
耳も同じです。
初めて和音の違いを聞こうとしたときに、全部同じに感じられるのは自然なこと。
誰でもはじめはそうなんです。
それでも繰り返し聴いて確認してみるうちに耳の感覚がだんだん研ぎ澄まされいって、似たような和音の違う色合いを聞き取れるようになります。
一回の経験で出来ることではありませんから辛抱強さもある程度必要かもしれませんが、段階的に慣れていけば必ず聞き分けられるようになるものです。
今は耳コピの得意な人も、はじめはなにがなんだかわからなかったはず。
複雑なことを聞き取るというのは何度も繰り返し聴いて実際に音を出してみて、というのを繰り返すうちに身に付けた「技術」なんですね。
だから、生まれつきソルフェージュが出来ないから、才能がないから、なんて諦めることはまったくないのですよ。
試してみたい方はぜひレッスンにいらしてくださいね!