「A型なら几帳面なんでしょ」「O型なら大らかタイプね」など血液型による性格診断をどう思いますか?
個人的にこういうのは面白ければ何でもいいと思いますが、「人間の性格がたった4つに分類できるはずはない!」という声もありますよね。
こんな大雑把な性格診断なら本気で信じる人はそんなにいないでしょうし、それによって深刻な影響を受けることも別段なさそうですが、音楽でもこういう分類をついついしてしまうケースって意外にあります。
代表的なのが古典派とかロマン派などの枠組みや、「モーツァルトならこう!」「ドビュッシーならこう!」などと作品そのものを見ずにスタイルだけを再現しようとする演奏。
もちろん歴史を知ったり、比較研究したり、当時の演奏を再現したりするためには、分類することは役に立ちます。
それでもドビュッシーだからふわふわすればそれっぽくなる、とか近現代作品だから意味がわからないごちゃごちゃに感じられれば雰囲気が出る。
そんな風にカテゴライズしてわかった気になり、作品そのものを見ないのはもったいないことです。
せっかく自分で音楽をするなら「何となくそれっぽい」ではなく、一つ一つの作品のどんなところが魅力なのか改めて自分で見ていきながらそれを表現するのが楽しいのではないでしょうか。
分類・カテゴライズするのは導入段階ではシンプルに見えるのでとても便利ではありますが、それだけでわかった気になってその先を見なくなるのは避けたいものですね。