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どう思って演奏してるかは伝わる

 

詳細は忘れてしまいましたが以前ピアニストの中村紘子さんの本か何かの記事かでとても納得させられることをおっしゃっていたのを目にしたことがあります。

言い回しなどは記憶が曖昧なので正確ではありませんが、「最近の新しい曲は頭脳的に数学的に作られたものが多いけれど、それらが一回きりの上演になってしまうのは演奏家に快感を与えないからである」というような内容でした。

少し前の近現代作品についての言及の様で色々な捉え方があるでしょうが、わたしはこれは作品がどうこうという意味ではなく「演奏者がわけがわからないし面白くないと思っているのに観客が受け入れてくれる訳がない」ということとして受け取りました。

奏者が良さを理解せずに演奏するからお客さんウケもイマイチ。

だからもう二度と取り上げられない、ということかと。

演奏する人が作品の魅力をわかってないのにそれが聴く人に伝わるはずがないですよね。

そして作品の意味がわかって良さを紹介するためには、楽譜から情報を受け取るスキルも必要になります。

「何にも努力はしません、でも感動させてください。」

そんなのはおかしな話です。

それは映画だって漫画だって同じで、作品の魅力は受け取る準備のある人にしか受け取ることはできないということではないでしょうか。

現代の作品も着眼点がわかったらとてもおもしろいものが、どこに注目したらいいか知らないというだけで「意味がわからないからキライ」と思ってしまうのはもったいない。

わたしは自分主催のイベントではない依頼コンサートでもできるだけ近現代の作品を1曲は取り入れるようにしています。

シューマンやブラームスなどロマン派の作品や童謡や季節の歌などのわかりやすい曲がある中で、「あの現代曲が一番好きになったよ!」という感想を頂くことも実は結構あります。

そういうときはやっぱりすごく嬉しいもの。

演奏者が「楽しい!素敵でしょ!」と思って演奏した場合、ちゃんと伝わるものなのだなと思います。

触れたことのないジャンルでも複雑そうな曲でも、食わず嫌いは本当にもったいないですね。

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  • この記事を書いた人

有吉 尚子

1982年栃木県日光市(旧今市市)生まれ。小学校吹奏楽部にてクラリネットに出会い、高校卒業後19才までアマチュアとして活動する。20才のときに在学していた東京家政大学を中退し音大受験を決意。2003年洗足学園音楽大学入学。在学中から演奏活動を開始。 オーケストラや吹奏楽のほか、CDレコーディング、イベント演奏、テレビドラマBGM、ゲームのサウンドトラック収録など活動の幅を広げ2009年に洗足学園音楽大学大学院を修了。受講料全額助成を受けロシア国立モスクワ音楽院マスタークラスを修了。  及川音楽事務所第21回新人オーディション合格の他、コンクール・オーディション等受賞歴多数。 NHK「歌謡コンサート」、TBSテレビドラマ「オレンジデイズ」、ゲーム「La Corda d'Oro(金色のコルダ)」ほか出演・収録多数。 これまでに出演は1000件以上、レパートリーは500曲以上にのぼる。 レッスンや講座は【熱意あるアマチュア奏者に専門知識を学ぶ場を提供したい!】というコンセプトで行っており、「楽典は読んだことがない」「ソルフェージュって言葉を初めて聞いた」というアマチュア奏者でもゼロから楽しく学べ、確かな耳と演奏力を身につけられると好評を博している。 これまでに延べ1000名以上が受講。発行する楽器練習法メルマガ読者は累計5000名以上。 現在オーケストラやアンサンブルまたソロで演奏活動のほか、レッスンや執筆、コンクール審査などの活動も行っている。 「ザ・クラリネット」(アルソ出版)、吹奏楽・管打楽器に関するニュース・情報サイト「Wind Band  Press」などに記事を寄稿。 著書『音大に行かなかった大人管楽器奏者のための楽器練習大全』(あーと出版)を2023年8月に発売。Amazon「クラシック音楽理論」カテゴリーにて三週間連続ベストセラー第一位を獲得。 BODYCHANCE認定アレクサンダーテクニーク教師。 日本ソルフェージュ研究協議会会員。音楽教室N music salon 主宰。管楽器プレーヤーのためのソルフェージュ教育専門家。クラリネット奏者。

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