多重録音の出来るスマホのアプリを知っていますか?
アカペラというアプリで、クラリネットのスタンダードな名曲であるウェーバー作曲のコンチェルティーノを試しに吹いてみました。
なんだか普段と違うなと思いつつアップしてみたところ、それをみたとある作曲家さんが「4分半くらいの作品をやってみて」というお話がありました。
楽譜を見せていただいたところ色々な表情があってテンポも変わったりゆらいだりする3重奏の素敵な曲。
それでチャレンジしてみようと思ったのですが、いざやってみるとそんなに激しく複雑なわけではないのになんだかとても難しい!
なぜ?自分のテンポやリズムが変なのかな?と思いつつとりあえず進めてみました。
進めて行くうちに感じたのは
・パートの役割りが変わったときにその場で役割交代が出来ないこと
・アプリでは最初に入れたパートが他のパートに合わせることができないということ
生のアンサンブルだとお互いの呼吸とかアインザッツでゆらぐ場面でも合うし、役割が変われば主張したり控えめにしたり調節できますが、それができないことによる不自由さに驚きました。
普通ならリーダーのパートが1stから2ndに変わったりしてもその時々で主張したりまたはついていったり出来ますよね。
スマホアプリでそれをするには役割りの変わるところで一旦止めて、次の部分を次のリーダーのパートから順に録音していく必要があるのです。
またリーダーとついていくパートが分担されていたとしてもお互いに聴き合って寄せ合っていきますが、それが一方通行だとやはりちょっと不自由な感じがするもの。
ところで「普段のレコーディングではどうしてたかな?」と思ってみると、クリックというメトロノームみたいなカチカチ音が流れるヘッドホンやイヤホンをして、それを基準に合わせていったり指揮者がいたりするのが通常のケースです。
このアプリも演奏時だけ聴こえるメトロノーム機能はあるのですが、アッチェルランドしたりリタルダンドがあったりしてはかけっぱなしにはできません。
通常のレコーディングはそういうテンポが揺らぐところはクリックは止めて奏者同士のアンサンブルや指揮者が合わせたりします。
また先に録音されてるパートに後から伴奏やオブリガードを入れる場合は、完全に入ってるものに合わせるだけでこちらがアインザッツを出したりはしないものです。
今回やってみて、「生身の人間同士でやるアンサンブルって、やっぱり快適だし聴き合って刺激し合ったり調整し合えるって楽しいことだな」ということを再確認したのでした。
などと色々書いてますがこのアプリがダメということでは全然なくて、リードするパートが変わらない曲なら楽しく使えると思います。
別の曲でやったら新たな何かを発見するかもしれないのでまたやってみます!
無料で色々出てるので気になったら試してみてくださいね。
アプリが紹介されているwebページはこちら
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