パート練習を取りまとめたり中高生にレッスンをしたりするとき、複雑なところをどうやったらいいかなどつい自分が教わった通りにそのまま伝えてはいないでしょうか。
もちろんそれは悪いことではありません。
ただし、自分が学んだり出来るようになったりしてきた手順と、自分以外の人が身につけて行く手順は、必ずしも同じではないということは知っておいても良いかもしれません。
例えば、
・言葉で説明されたりCDを研究したりということが得意な人
・実際に目の前で演奏されるのを見たら理屈はわからなくても飲み込める人
・図で描いてもらったり風景などイメージがあるとピンと来る人
など様々な学び方のタイプの違いが人それぞれに存在するから。
どんな学び方が優れていて、どの学び方は劣っているなどの優劣はありません。
人間は誰でも多かれ少なかれ何かしらの傾向や特性を持っています。
それは人間の悩みの大部分はコミュニケーションだと言われていることからも分かります。
自分と同じでないタイプの人に何の工夫もなく「自分がわかりやすい方法」で伝えようとしてヤキモキしても、それは合わないパズルをムリヤリ嵌めようとするようなもの。
お互いに疲れるだけで意味がないでしょう。
何かを人に教えようと思うのなら受けて側の「わかろうとする努力」だけでなく、教える側の「伝えようとする工夫」が必要なのは当然です。
学び方は人それぞれ、そして学びのペースだってそれぞれで良いはず。
ゆっくり咀嚼しながら慎重に丁寧に進むのが安心な人もいれば、小さなことは気にせず飛び越して全速力で走るのが好きな人もいます。
もしも「あれ?あまり伝わってない?ピンときてないかも?」と思ったときには、何かしら別の角度から伝える工夫をしてみると良いかもしれませんね!