管楽器の演奏で音程を変えるのには、いうまでもなく楽器のコントロールが必要です。
では、楽器やアンブシュアのコントロールが出来たら音程を変えるのには充分なのでしょうか。
例えばドの音でも1オクターブ違ったら身体に伝わる振動も違うでしょう。
出す音によって身体の振動の大きさや振動数など色々変わります。
試しに自分の楽器で一番低い音と一番高い音をそれぞれ出しながら、片手でノドや鎖骨やお腹や骨盤などあちこちを触ってみましょう。
どんな風に振動の具合が変わるでしょうか。
何となく違いがわかったら今度は音を変えて行って、高い音に行くときに身体の振動がどう変わっていくか、逆に低い音に行くときに身体の振動がどう変わっていくか、自分であちこち触りながら調べてみましょう。
何が正解というものではないので自分の楽器・吹き方・出す音でどういう変化があるのかを知るのがここでの目的です。
試してみてどんなことに気が付きましたか?
低い音のときの方が振動の幅が大きくまた身体の低い場所に共振しやすいので、胸のあたりなどで動いてるのをたくさん感じられたのではないでしょうか。
では。
次は高い音で吹きながら、低い音のときに振動していた部分も同じく振動が伝わるようにするつもりで吹いてみたらどんな風に音質が変わるでしょうか。
「高い音だ!」と思って縮こまったりすると、低い部位の振動を止めて低い倍音を殺してしまいます。
そうするとキーキーした固くて耳障りな高音が出るでしょう。
そうではなく、高い音を出すときも身体の低い部位への振動は伝わっていいし低い倍音も鳴っていていい、ということにしてみると遠くまでよく通るし太くて柔らかい音になります。
振動の具合によって、音質も音程の印象も変えられるのです。
楽器や指やアンブシュアだけではなく、音質や音程の印象をコントロールすることも大切ですね。