スラーのフレーズは吹けても、スタッカートやテヌートやスタッカートなど混在したアーティキレーションのフレーズはでこぼこになってはいませんか?
実はこれ、
「速いタンギングがもつれる」
「指の速いパッセージが上手くいかない」
などの一見関係ないようなお悩みとも同じことが原因になっている場合もあるのです。
もったいぶっても仕方ないので言ってしまうと、それは息のコントロール不足。
スラーの時とスタッカートの時、必要な息の圧力はどう違うでしょうか?
舌で止めている振動や息の流れを再開させる必要のあるスタッカートの方が、どの楽器でもスラーよりもたくさん圧力をかけるでしょう。
ということは、スラーとスタッカートを同じ息のスピードで吹いてしまっては、スタッカートの方が小さな音になりフレーズはでこぼこになってしまいます。
もしかしたらゆっくりウォーミングアップや基礎練をしてるような心にも思考にも余裕のあるときは、気を付けてコントロールできているかもしれません。
けれど曲の中で忙しい部分を吹いているときは、それどころではなくなってしまいがち。
本来演奏中は息やコントロールではなく音楽に集中したいので息のことは忘れてしまってもいいのですが、それはコントロールしなくていいというわけではありません。
いちいち頭を使わず無意識でそのコントロールが出来るようにするために、ゆっくりのテンポから習慣付けていくのが練習のひとつの目的です。
また、速いタンギングや運指を練習するとき起こりがちなことのもう1つが、舌や指に夢中になって息の流れが疎かになること。
タンギングは流れてる息と振動を舌で止めて、また息の圧力で再開する動作です。
舌が速く動くだけではタンギングはできません。
指も、指自体が速く動いても息がほとんど流れてなければ音にはなりませんよね。
それに運指が変わるということは管の長さが変わることなので、音にするために必要な息の圧力はそれぞれの音でも違います。
難しく吹きにくいパッセージで「何だかうまくいかないな」と思ったとき、気にしてみてくださいね。