艶があって丸くて遠くまで届く良い音、出せたらいいな。
今回はその音楽をやる上で大切な要素が逆に音楽を邪魔してしまうというパターンについて。
わたしは丁寧に音作りをせず流れ重視で勢い任せに吹いていた大学に入りたてピカピカ一年生の頃師事していた先生から
「どんなに音楽的で魅力的あっても音質・音色がダメなら聴いてもらえないんだよ」
と言われたのをよく覚えています。
音楽をやる上で音質を気にせず音楽だけを聴くというのは不可能に近いので
「この音質はどうだろう?」
と常に注意を払い続けるのはとっても大切なこと。
それはその通りなのです。
それは大前提としてですがものすごく音が綺麗で聴き惚れる、けれど音楽にイマイチ推進力が感じられない。
そんな演奏を耳にしたことはあるでしょうか。
音質・音色に注意を向けているとついついその瞬間の響きだけを聴いてしまうということもあるのですね。
流れや全体のストーリーや周りとの関連でその音がどういう意味を持っているか、なんてことがお留守になってしまいとにかく音色だけを追求することに夢中になってしまうのです。
そして音色が壊れるのが嫌で思い切った表現をできなくなってしまうということも。
そういうケースも結構ありがちでよく目にします。
普通に考えたら当然音が良くて音楽もいいのが理想でしょう。
どちらかにしか意識がいかないという意味では音色が壊れていて流れや歌い方だけ考えているのも、音は良いのにそれだけな演奏も、同じように片手落ちなのですね。
ひとつのことに注意を向けたらそれ以外がお留守になる、そんなことにならないようバランスを考えて自分の演奏を作っていきたいものですね。