アナリーゼ 練習 音楽理論

ドヴォルザークの第九で簡単アナリーゼ

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理論面のお話では楽典を読む内容が続いていますが今回は実際のオーケストラ作品の中から有名なフレーズをちょっとだけアナリーゼしてみたいと思います。

有吉尚子です。こんにちは!

今回はドヴォルザークの交響曲第九番から第2楽章冒頭のコールアングレのソロの楽譜を簡単に見てみましょう。

この交響曲は「新世界より」として知られていますが、特にこの楽章のアングレのソロは「家路」「遠き山に日は落ちて」など歌詞が付けられた編曲でもよく知られていますね。

http://ur2.link/InLx

では進めて行きましょう。

楽譜を見てみるとよく知った旋律のように思えますね。

付点音符が入った上がり下がりのパターンで作られています。

これって突然この第2楽章で現れたわけではなく、その前にもたくさん似たような上がり下がりのモチーフが登場していますね。

曲全体の中で色んな上がり下がりのパターンを使って変化が付けられたうちのひとつなんだな、ということがわかります。

そして短い12小節間だけ見ると5,6,7,8,小節目も音が高くなって音量にも変化が付いていますが一番音域が高いのは最後の11-12小節目ですね。

(小節数はソロの開始から12小節間として数えています。)

そして音量もそこが一番大きくなるよう書かれています。

どう考えてもこのフレーズで一番盛り上がりたいのはその11-12小節目ですね。

そしてここで何度か出て来るドー♭ミ♭ミードー♭シ♭ラーから繋がる2小節間に注目します。

前半のパターンを見てみると、伸ばしの2分音符は記譜で2小節目がBで次に4小節目がAですね。

アングレはF管なので記譜のCが実音のFですがパート譜で見やすく考えるとこのフレーズはAs-durになっています。(実音でDes-durってことですね)

As-durの一番落ち着きの音はもちろん音階で1番のAsであって、4小節目ではその1番に解決しています。

スコアを見てみるとハーモニーも2小節目は落ち着かない属七ですが4小節目では一番落ち着きの主和音になっています。

旋律の動きも2小節目より4小節めの方が跳躍もなく穏やかに滑らかになっていますね。

5小節目からの1回目の高い音や音量変化のある盛り上がりをより効果的に聴かせるためにその前で一旦穏やかに落ち着いて静まってほしいんですね。

それに対して音形が似ている後半の9,10小節目は落ち着きの音に解決してはいないんです。

10小節目ではハーモニーもクライマックスに向かって行く盛り上がりの五度(属和音)で旋律もBの伸ばしがあります。

ここで落ち着いてしまうと最後の盛り上がりに行ききれなくなってしまうわけなんですね。

だから2分音符で伸ばしだからって減衰する吹き方はしません。

むしろほんのちょっとだけクレッシェンド気味になって次に向かって行くことはよくありますね。

次に音域が高くなったところを見てみますが、長くなるので続きは次の記事でまとめてみますね!

全曲はこちらからどうぞ。

セルジュ・チェリビダッケ指揮
ミュンヘン・フィルハーモニー
管弦楽団演奏

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有吉 尚子

有吉 尚子

クラリネット奏者。 栃木県日光市出身。 都立井草高等学校卒業。2007年洗足学園音楽大学卒業。2009年同大学院修了。 クラリネットを大浦綾子、高橋知己、千葉直師の各氏に、室内楽を平澤匡朗、板倉康明、岡田伸夫の各氏に師事。 ミシェル・アリニョン、ポール・メイエ、アレッサンドロ・カルボナーレ、ピーター・シュミードルの各氏の公開レッスンを、バスクラリネットにてサウロ・ベルティ氏の公開レッスンを受講。 受講料全額助成を受けロシア国立モスクワ音楽院マスタークラスを修了。 及川音楽事務所第21回新人オーディション合格。 2010年より親子で聴ける解説付きのコンサ-ト「CLARINET CLASSICS」~クラシック音楽の聴き方~をシリーズで行う。 2015年、東京にてソロ・リサイタルを開催。 オーケストラやアンサンブルまたソロで演奏活動を行っている。 また、ソルフェージュや音楽理論、アレクサンダーテクニークなどのレッスンや執筆、コンクール審査などの活動も行っている。 音楽教室N music salon 主宰。

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