レッスンで生徒さんによく「このフレーズはどんな風に感じますか?」という質問をします。
突然どう感じるかと言われても、正解があるものでもなく人それぞれ違うものなので、なんと答えたらいいか戸惑う方も多く見られます。
「こんな感じかなー」というお答えが多いですが、「こんな雰囲気・・ですか?」というお返事もよくあります。
この反応は学校の試験などで、求められている正解を見つけるという訓練をされているのが原因のひとつではないかと思います。
「どう感じますか?」という問いかけをするのは、わたしがどう解釈したかを当てるクイズではありません。
生徒さん自身がどう感じてどう演奏したいか欲求をはっきりさせるための言語化の提案であり、音楽理論やアナリーゼの入り口です。
そして自分で考えられるようになることは、受講者さんがここでレッスンを受ける目的だと思っています。
もちろんわたしがどう考えるかをヒントにしてもらうのは構いませんが、わたしが思うのとは違う感じ方をする生徒さんもたくさんいらっしゃるのが当たり前です。
そして「正解の感じ方はこれですよ」とは絶対に言わないということは、個人的にこだわっているポイントです。
同じ人でもタイミングによって感じ方や考え方は変わるものだし、誰でも自分で見つけたものが一番の表現欲求につながるものだから。
というわけで、レッスンでは生徒さん自身が自分で考えたり感じたりする機会を大切に時間をかけるようにしています。