コミュニケーション レッスン

知ってることしか学べない

 

 

「人々が学ぶことができるのは自分が知っていることだけである」

という言葉が、アレクサンダーテクニークの原理を発見したF.M.アレクサンダーさんのご友人からの手紙に載っていたそうです。

すでに何かを教えている方は知っておきたいことかもしれないと思ったのでシェアします。

確かに、すでに興味を持っていたり調べていたりしないことは知ろうと思わないので、学べないのかもしれません。

「こんな視点があったんだ!」という新鮮な情報でも、本人がやりたいことに繋がっていたり足りないと感じていた情報でない場合は「それで??」という感じでピンと来ないことが多いのではないでしょうか。

わたしも最初に音楽理論やソルフェージュを習った時は、「試験に落ちるのは困るから一応やるけど、出来たからってそれがどうしたの」くらいにしか考えておらず、ましてこれをたくさんの方に伝えられる仕組みを作ろうなんて全く思いもしませんでした。

それが音の聴き方が変わることで演奏をレベルアップでき、それによって見える世界が変わることを体験しました。

またレッスンや講座を行うときにも、自分に聴く力があることがどれだけ多くの人を助けることができるか、ということを実感するにつれて面白く感じるようになってきたのです。

これは音楽理論やソルフェージュが自分自身の興味に結びついたから頭に入ったという例ですが、そうでなければ学問分野として知ることはできても実際に現場で使える学びにはならなかったでしょう。

こういう体験は他にもたくさんあるのではないかと思います。

「知っていることしか学べない」

一面の真理と言えるかもしれません。

レッスンではすでに知りたいと思っていることだけでなく新しい情報を伝えることもありますが、そんな時は生徒さんのしたいことや興味に関連付けることがとても大切。

またそれは個別にそれぞれの生徒さんに向き合う姿勢があってこそ可能になるだろうな、と感じました。

すでにレッスン活動をされてるという方には何かヒントになることがあれば幸いです。

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  • この記事を書いた人

有吉 尚子

1982年栃木県日光市(旧今市市)生まれ。小学校吹奏楽部にてクラリネットに出会い、高校卒業後19才までアマチュアとして活動する。20才のときに在学していた東京家政大学を中退し音大受験を決意。2003年洗足学園音楽大学入学。在学中から演奏活動を開始。 オーケストラや吹奏楽のほか、CDレコーディング、イベント演奏、テレビドラマBGM、ゲームのサウンドトラック収録など活動の幅を広げ2009年に洗足学園音楽大学大学院を修了。受講料全額助成を受けロシア国立モスクワ音楽院マスタークラスを修了。  及川音楽事務所第21回新人オーディション合格の他、コンクール・オーディション等受賞歴多数。 NHK「歌謡コンサート」、TBSテレビドラマ「オレンジデイズ」、ゲーム「La Corda d'Oro(金色のコルダ)」ほか出演・収録多数。 これまでに出演は1000件以上、レパートリーは500曲以上にのぼる。 レッスンや講座は【熱意あるアマチュア奏者に専門知識を学ぶ場を提供したい!】というコンセプトで行っており、「楽典は読んだことがない」「ソルフェージュって言葉を初めて聞いた」というアマチュア奏者でもゼロから楽しく学べ、確かな耳と演奏力を身につけられると好評を博している。 これまでに延べ1000名以上が受講。発行する楽器練習法メルマガ読者は累計5000名以上。 現在オーケストラやアンサンブルまたソロで演奏活動のほか、レッスンや執筆、コンクール審査などの活動も行っている。 「ザ・クラリネット」(アルソ出版)、吹奏楽・管打楽器に関するニュース・情報サイト「Wind Band  Press」などに記事を寄稿。 著書『音大に行かなかった大人管楽器奏者のための楽器練習大全』(あーと出版)を2023年8月に発売。Amazon「クラシック音楽理論」カテゴリーにて三週間連続ベストセラー第一位を獲得。 BODYCHANCE認定アレクサンダーテクニーク教師。 日本ソルフェージュ研究協議会会員。音楽教室N music salon 主宰。管楽器プレーヤーのためのソルフェージュ教育専門家。クラリネット奏者。

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