正しい動きで演奏できているかチェックしてもらいたい、そんなレッスンのリクエストをいただくことがよくあります。
有吉尚子です。こんにちは!
そういうときにわたしはいつも正しい動きというのはどういうことなのかをお尋ねします。
演奏のフォームとか姿勢って唯一の正解があるものではないというのは何度も書いていますが、有利なやり方と不利なやり方はたしかにあると思います。
そして誰でも何をするときでも、その時に持ってる情報の中で最善だと思うことを選んでやってるわけなんですよね。
だからその最善だと思った方法が間違いだということは無いんです。
もしもっと良いアイデアを知ったらそっちを選ぶかもしれなくても、選択肢の中で悪いと思うものは誰だって選びませんからね。
演奏フォームには背中をまっすぐにして脇はこれくらい開いてブレスのときは必ずここが動いてなんていう「型」みたいなあると思ってる方もいますが、それはそのやり方で上手くいってるという人の個人的な方法であって、誰にでも同じことが起きるのが最善だというわけにはいきません。
骨格も筋力も経験もやりたいことも全部人それぞれ違うんですから。
そして「これはいい!」と思ったことがあったとしても、それは一生使えるかどうかはわからないものですね。
体力や練習に使える時間が変わればもうそれは良いアイデアではなくなるかもしれませんし、もしかしたらもっといいやり方を知る機会があるかもしれません。
だから大事なのは正解の動きを出来ているかどうかではなくその時々でより良いやり方を選ぶために変化し続けることだと思います。
ひとつの「正解のやり方」に固執して新しいものを試せないのが合わなくなったときに怪我や故障に繋がるリスクが一番ある向き合い方なのではないでしょうか。
「正しい姿勢になってるがどうか」という問いにはそんな風にお答えしています。