楽典を一緒に読んでみましょう!のシリーズ続き、今回はp51の「拍子の種類」から行きましょう。
ここは3つの種類の拍子について解説してあるセクションです。
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西洋音楽の拍子はビートと言って基本的に2か3の組み合わせで出来ています。
例えば4/4なら1小節に2が2つあります。
3/4なら1小節に3が1つ。
本に書いてある単純拍子というのはその最小単位である2か3のどちらかですよ、ということです。
例外として2が2つの4も最近では最小単位として見なされる、ということが書いてありますね。
次に複合拍子というのは、1小節に3が2つの6/8や3が3つの9/8など基準の2か3が複数入ってる拍子のことです。
大きなまとまりの中でさらに小さなまとまりがあるものという意味では、4/4は2が2つの複合拍子とも言えます。
こういうのは演奏するときは6/8なら大きな2拍子、12/8なら大きな4拍子、など大きく数えるとカウントが楽になって迷子になりにくいです。
次に混合拍子というのは2+3で作られた5/4とか2+2+3の7/8など、2と3のまとまりが組み合わされた拍子です。
よくある5拍子とか7拍子はこれのことですね。
ビートひとつひとつの長さが4分音符だったり付点4分音符だったりとそれぞれが等しくない長さなので「アンイコールビーツ」(不等拍拍子) という呼ばれ方もします。
一見複雑そうな楽譜も、2と3でどう組み合わされているのかを見てみると途端に意味がわかりやすくなりますよ。
そんな拍子の実際の譜例が楽典に載っていますので見てみましょう。
他には2+3ではなく、5をひとつのまとまりとして数える曲もあります。
そしてp.61の譜例46にあるようにこの色々な拍子が1小節2小節という短いスパンで入れ替わるものをわたしたちは普段「変拍子」と呼びます。
ストラヴィンスキーの春の祭典がそのわかりやすい例ですね。
他には11/8+1/16なんていう珍しいな拍子もあったり、小節線がない無拍子があったり、世界は広いですね。
p.64まではその表記の仕方の例とL’istesso tempo前後の拍子の読み方を取り上げているので、「拍子が変わるときにテンポがどう変わるのかいつも戸惑う!」という方は確認しておくと良いでしょう。
この拍子の概念ってポピュラーでは違った定義になっていたり、クラシック畑の人も複合と混合を混同していたりすることも多いので、演奏するためには厳密に覚えたりする必要はありません。
ただ数えるときに2か3か、どういうまとまりとして拍子を捉えるか、ということだけ気にかけておけばいわゆる「拍子感の出た演奏」に近づける助けにはなりますよ。
次回はシンコペーションの項目から見ていきたいと思います。
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