リズムや音程に注意してみてもズレているのか合っているのか自分ではよくわからない、そんなことはありませんか?
「いやいや、ズレてかどうかくらいわかるよ!」
「チューナーで計ってピッタリならいいんじゃないの?」
という方は要注意。
チューナーで合っていても高い倍音ばかり強調されて出ていたら、周りからは浮いて合っていないように聴こえてしまいます。
メトロノームをかけて一人で吹く時は出来ても、旋律パートがほんの少し長めに間を取ったときに気が付いて合わせられなければ意味がありません。
そういう細かいところまで聴き取る耳の精度がないために、ズレに気付けなくて合っていような気がしているだけかもしれませんよ。
何事もスタートラインに立つためには「無知の知」、知らないことに気づいている、できていないことに気づく、そういうことが必要です。
知らないことがあるのを知らない、出来ていないことに気付いていない、そういう場合は本人が「なんとかしなければ」という危機感を持っていません。
だから堪りかねた誰かに指摘され、初めて「そうかな?」と確かめようとするもの。
自分では合っているつもりでも実はズレているというパターンはレッスンでは結構よくあるのですが、こんな場合の第一歩は自分で気がつけるようになることです。
また、合っていないことに気付いたら、今度はやみくもにメトロノームやチューナーに合わせようとしてしまいがちですが、それはオススメできません。
視覚を頼りに機械に合わせるだけで耳を使わないでいると、自分の中に軸となる基準を作ることが出来ないからです。
メトロノームやチューナーは無意識に吹いたときに自分がどんな傾向になりがちなのかを知る道具です。
自分の耳で違いを聴いて、それによって吹き方を調整する習慣をつける。
そのためのトレーニングをしなければいつまでたっても耳は良くなりません。
あなたは機械に頼って自分の耳で判断できないまま、それで満足してしまってはいませんか?