アレクサンダーテクニークについてこのメルマガでは何度も書いていますが、これはF.M.アレクサンダーさんというオーストラリア人で、朗唱家という今で言う俳優さんのような仕事をしていた人が発見した原理のことです。
そのF.M.と呼ばれてた彼がアレクサンダーテクニークについての本を何冊か出しているのですが、その中で興味深いことをたくさん書いています。
わたしが読んだのは一般向けに出版されているものではなく、アレクサンダーテクニークの講師養成クラスで独自に翻訳されたバージョンなのでご紹介はできませんが「これは!」と思った内容を抜粋してこちらではご紹介していきます。
今回ご紹介するのは、「問題がある動きを見つけたとして末端だけ直そうとしてもなかなか上手くいかず、バランスが崩れてなお悪くなることさえある。」ということを書いてた部分です。
これは楽器演奏をされる方には実感を伴ってうなずけることなのではないかと思います。
例えばリードが重くて薄い番号にしてみたけれど音が軽くなってしまってベストな解決には繋がらない、など。
このときに本当の問題は吹き込みに使える筋肉が適切に働いていないことだとして、リードを薄くするのは根本解決に繋がるどころか新たな問題が出てきてしまうきっかけになってしまいます。
他にも肩コリするのは普段の習慣的な動きの選択が問題なのに、「この姿勢が良いらしい!」と聞きかじって試してるうちに腰痛まで出てきてしまったり。
そういうようなことって結構あるあるですよね。
身体の使い方に問題があって不都合が出てきているなら、その部分の使い方だけでなく身体全体が協調して、やりたいことに対する適切な動きを選択できるようにすることが必要です。
一箇所の問題を表面的には小さく見えにくくしたとしても根本解決に繋がることをしていなければ問題を隠しただけで、その問題隠しのために身体全体がさらにおかしなバランスになってしまう可能性もあるのです。
レッスンのときや自分が練習するようなときにも、問題の一時的な解決によってお茶を濁すのではなく、原因をきちんと見ていきたいものだなと思いました。