コミュニケーション 合奏・アンサンブル 思考と心

繊細な心の守り方

 

何かしら楽器を演奏をする人は繊細な心を持ってることが多いもの。

音楽に魅力を感じることのできる心の柔軟さや共感力があるからこそ、そういう人が演奏に携わる選択をしているのかもしれません。

そういうタイプは他人の何気なく言ったことを考えすぎてしまったり、指摘されたことに対して過剰に反省してしまったり。

そんなことが積み重なれば自分の中でどんどん心配事が増えていって、しまいには心が身動きの取れないがんじがらめになってしまうこともあるでしょう。

楽譜から作曲者の意図を汲み取り、アンサンブルではお互いの様子に注意を払い、自分がどんな風に感じているかも含めてそれを音にしていく作業、繊細じゃない人にはとうてい出来ないことだと思います。

繊細なことは悪いことではありません。

とはいえ他人の言動の受取り方で何か制限されてしまうのは、本人にとっては嬉しいことではありません。

「あの人はこう言ったから」

「この先生はこうやってたし」

「もっとこうした方が印象が良くなるかな?」

そんな風に自分以外の他人の思考を基準に自分の振る舞いを決めるのは思い切ってやめてみてはどうでしょうか。

「その表現は好きじゃない」など失礼なことを言って来た人が、あなたがどんなにその人の気にいるように工夫したって気に入ってくれるとは限りません。

だってそもそも感覚や趣味が違うからそんな発言が出てくるのですから。

他人の顔色をうかがった演奏を続けていたら自分がやりたいことがいつの間にか消えてしまいます。

自分のやりたいことがないのに音楽なんて出来ませんよね。

あなたの人生で起きることや感じることやりたいことなど、すべてに責任を持ってくれる人なら言うとおりにしたっていいかもしれませんが、当然ながらそんな人は存在しません。

日々の小さなことから人生の大切なことまで、あなたが何を選ぶかを決めるのは誰かの責任ではなくあなたの責任です。

他人の言動をどう受け止めてどう反応するかも、本当はあなたが決めて良いんですよ。

あなたが守るべきものはあなた自身の心であって、コントロールできもしない他人の気分ではありません。

ムダな批判や口出しに出会ってしまったときなど、思い出していただけたら幸いです。

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  • この記事を書いた人

有吉 尚子

1982年栃木県日光市(旧今市市)生まれ。小学校吹奏楽部にてクラリネットに出会い、高校卒業後19才までアマチュアとして活動する。20才のときに在学していた東京家政大学を中退し音大受験を決意。2003年洗足学園音楽大学入学。在学中から演奏活動を開始。 オーケストラや吹奏楽のほか、CDレコーディング、イベント演奏、テレビドラマBGM、ゲームのサウンドトラック収録など活動の幅を広げ2009年に洗足学園音楽大学大学院を修了。受講料全額助成を受けロシア国立モスクワ音楽院マスタークラスを修了。  及川音楽事務所第21回新人オーディション合格の他、コンクール・オーディション等受賞歴多数。 NHK「歌謡コンサート」、TBSテレビドラマ「オレンジデイズ」、ゲーム「La Corda d'Oro(金色のコルダ)」ほか出演・収録多数。 これまでに出演は1000件以上、レパートリーは500曲以上にのぼる。 レッスンや講座は【熱意あるアマチュア奏者に専門知識を学ぶ場を提供したい!】というコンセプトで行っており、「楽典は読んだことがない」「ソルフェージュって言葉を初めて聞いた」というアマチュア奏者でもゼロから楽しく学べ、確かな耳と演奏力を身につけられると好評を博している。 これまでに延べ1000名以上が受講。発行する楽器練習法メルマガ読者は累計5000名以上。 現在オーケストラやアンサンブルまたソロで演奏活動のほか、レッスンや執筆、コンクール審査などの活動も行っている。 「ザ・クラリネット」(アルソ出版)、吹奏楽・管打楽器に関するニュース・情報サイト「Wind Band  Press」などに記事を寄稿。 著書『音大に行かなかった大人管楽器奏者のための楽器練習大全』(あーと出版)を2023年8月に発売。Amazon「クラシック音楽理論」カテゴリーにて三週間連続ベストセラー第一位を獲得。 BODYCHANCE認定アレクサンダーテクニーク教師。 日本ソルフェージュ研究協議会会員。音楽教室N music salon 主宰。管楽器プレーヤーのためのソルフェージュ教育専門家。クラリネット奏者。

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