何かしら楽器を演奏をする人は繊細な心を持ってることが多いもの。
音楽に魅力を感じることのできる心の柔軟さや共感力があるからこそ、そういう人が演奏に携わる選択をしているのかもしれません。
そういうタイプは他人の何気なく言ったことを考えすぎてしまったり、指摘されたことに対して過剰に反省してしまったり。
そんなことが積み重なれば自分の中でどんどん心配事が増えていって、しまいには心が身動きの取れないがんじがらめになってしまうこともあるでしょう。
楽譜から作曲者の意図を汲み取り、アンサンブルではお互いの様子に注意を払い、自分がどんな風に感じているかも含めてそれを音にしていく作業、繊細じゃない人にはとうてい出来ないことだと思います。
繊細なことは悪いことではありません。
とはいえ他人の言動の受取り方で何か制限されてしまうのは、本人にとっては嬉しいことではありません。
「あの人はこう言ったから」
「この先生はこうやってたし」
「もっとこうした方が印象が良くなるかな?」
そんな風に自分以外の他人の思考を基準に自分の振る舞いを決めるのは思い切ってやめてみてはどうでしょうか。
「その表現は好きじゃない」など失礼なことを言って来た人が、あなたがどんなにその人の気にいるように工夫したって気に入ってくれるとは限りません。
だってそもそも感覚や趣味が違うからそんな発言が出てくるのですから。
他人の顔色をうかがった演奏を続けていたら自分がやりたいことがいつの間にか消えてしまいます。
自分のやりたいことがないのに音楽なんて出来ませんよね。
あなたの人生で起きることや感じることやりたいことなど、すべてに責任を持ってくれる人なら言うとおりにしたっていいかもしれませんが、当然ながらそんな人は存在しません。
日々の小さなことから人生の大切なことまで、あなたが何を選ぶかを決めるのは誰かの責任ではなくあなたの責任です。
他人の言動をどう受け止めてどう反応するかも、本当はあなたが決めて良いんですよ。
あなたが守るべきものはあなた自身の心であって、コントロールできもしない他人の気分ではありません。
ムダな批判や口出しに出会ってしまったときなど、思い出していただけたら幸いです。