楽典を一緒に読んでみましょう!のシリーズ、今回は前回の「拍子」についての補足です。
有吉尚子です。こんにちは!
前回の記事では何拍周期で強く感じる拍が出てくるかってことで拍子がわかるというお話でしたね。
この強く感じる音の前後、いくつかの音のまとまりが次に進む推進力や拍子感を作っているのですが、それは小節内の音のまとまりというわけではないんです。
というのは強く感じる音はまとまりの最初にあるのではなく中心にあるのものだから。
中心に向かって進んでいく準備の拍があってこそ、到達した音が強く感じるわけなんですね。
何の準備も盛り上げもなしに「はい!強い音!ポン!」と出されても別にそれが他の音に比べて特別な感じはしないでしょう。
準備のあおりの拍があって「来るぞ・・来るぞ・・来た!」となるから来た!のところが到達点として感じられるんだと思います。
この次に進みたいエネルギーのある準備の拍を「アナクルシス」、到達点であるまとまりの中心の音を「クルシス」といいます。
名前は覚えなくていいですけど、拍にも準備と到達点の役割があるってことだけ頭の片隅に置いておいてくださいね。
その準備拍と到達中心拍がどれだかわかりやすいようにするために中心の拍の前に線を引っ張ったのが小節線なんだそうです。
楽典の本からは少し離れましたが、基礎的な前提ということでダルクローズのリトミックで言われる説明をちょっとだけご紹介しました。
拍のまとまりは小節単位ではなく強拍の前後をとりまくものなんだ、
ということを知っていると演奏するときの音楽の運び方も違いが出てくるかもしれませんね!