アナリーゼ ソルフェージュ 音楽理論

拍子感が出た演奏にするための楽典

今回は「楽典を一緒に読んでみましょう!」のシリーズ、p.38の「リズムと拍子」からみて行きましょう。

 

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始めにリズムについての定義が書いてありますが、実はこれについては色々な考え方があります。

この本の中ではビート(拍)と少々混同した解説がされており、「時間の刻みを感じさせるもの」という定義になっています。

対してわたしが講座やレッスンでお話するのは、スイスの音楽学校の作曲家の学生がソルフェージュを学ぶために開発されたダルクローズメソッドに基づいて「ビートの上で表現される長い音符と短い音符の組み合わせがリズム」だという風にお伝えしています。

人それぞれお好きなように解釈すればいいでしょうが、個人的に混乱がなく明確なのはダルクローズの解説だと思います。

次に拍(ビート)のこと。

拍とは4分音符や8分音符など、一定の間隔で繰り返される時間の刻みのこと。

一拍の長さが何秒かなんてことにも言及されていますが、実際に演奏のときに使う知識ではないので気にしなくて大丈夫。

そして次に拍子とは。

実は「一小節に拍がいくつなのか」ではないのです。

拍子とは周期的(定期的ではないところに注意)に出てくる強調された拍を取り巻くいくつかの拍の集まりのこと。

何のことなのか分かりにくいですね。

図にするとこんな感じ。

小節線と言うのは、強く感じられる拍の直前に書くものです。

つまり「次の音が強調して欲しい音ですよ」ということを表しているのが小節線。

だから見た目上の小節ごとのまとまりは、拍子の途中から途中を表しているのです。

1小節ごとに拍子が変わる変拍子の曲などは、意地悪でそう書いているのではありません。

定期的ではないけれど「次の音を強調する演奏を求めています」という楽譜からのメッセージ。

ということは一見区切りのように見える小節線に騙されて小節ごとにフレーズを考えていては、幼稚で推進力のない演奏になってしまいます。

演奏するときには拍子の本来のまとまりごとに歌い回しや向かっていく先の方向性を考える必要があります。

というようなことを補足した上で進めているのがベーシック講座です。

こういう音楽のトピックはやはり文字情報だけでは限界があるので、ぜひ実際に音を聴いたり演奏に関わる動きを目にしたりしながら学んで行ってくださいね!

 

 

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  • この記事を書いた人

有吉 尚子

1982年栃木県日光市(旧今市市)生まれ。小学校吹奏楽部にてクラリネットに出会い、高校卒業後19才までアマチュアとして活動する。20才のときに在学していた東京家政大学を中退し音大受験を決意。2003年洗足学園音楽大学入学。在学中から演奏活動を開始。 オーケストラや吹奏楽のほか、CDレコーディング、イベント演奏、テレビドラマBGM、ゲームのサウンドトラック収録など活動の幅を広げ2009年に洗足学園音楽大学大学院を修了。受講料全額助成を受けロシア国立モスクワ音楽院マスタークラスを修了。  及川音楽事務所第21回新人オーディション合格の他、コンクール・オーディション等受賞歴多数。 NHK「歌謡コンサート」、TBSテレビドラマ「オレンジデイズ」、ゲーム「La Corda d'Oro(金色のコルダ)」ほか出演・収録多数。 これまでに出演は1000件以上、レパートリーは500曲以上にのぼる。 レッスンや講座は【熱意あるアマチュア奏者に専門知識を学ぶ場を提供したい!】というコンセプトで行っており、「楽典は読んだことがない」「ソルフェージュって言葉を初めて聞いた」というアマチュア奏者でもゼロから楽しく学べ、確かな耳と演奏力を身につけられると好評を博している。 これまでに延べ1000名以上が受講。発行する楽器練習法メルマガ読者は累計5000名以上。 現在オーケストラやアンサンブルまたソロで演奏活動のほか、レッスンや執筆、コンクール審査などの活動も行っている。 「ザ・クラリネット」(アルソ出版)、吹奏楽・管打楽器に関するニュース・情報サイト「Wind Band  Press」などに記事を寄稿。 著書『音大に行かなかった大人管楽器奏者のための楽器練習大全』(あーと出版)を2023年8月に発売。Amazon「クラシック音楽理論」カテゴリーにて三週間連続ベストセラー第一位を獲得。 BODYCHANCE認定アレクサンダーテクニーク教師。 日本ソルフェージュ研究協議会会員。音楽教室N music salon 主宰。管楽器プレーヤーのためのソルフェージュ教育専門家。クラリネット奏者。

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