棒読み演奏ではなく歌いたいのであれば、どんな風に表現したいかの手がかりになる楽譜をよく読んで歌い回しのヒントを見つけるのが大切。
とはいえ楽譜上は盛り上がりを感じるとはわかっても、どうしたら盛り上がった演奏にできるのかわからないケースもあるでしょう。
一言で「盛り上がった表現」と言っても様々な種類の盛り上がりがあります。
たとえば
・怒るような
・急ぐような
・緊張が張り詰めていくような
・幅広くなるような
・柔らかく大きくなるような
・鋭くなるような
きっとまだまだあるでしょう。
楽譜の前後関係からその部分がどんな場面や表情なのかはある程度想像できます。
でも自分が今までに接したことのない表情や表現はイメージできないのではないでしょうか。
楽譜をどんなに読み込んだとしても、聴いたことのない表現は自分でやってみようなんて思いもしないかもしれません。
そういう意味で人生の色々な経験を積んでいることや、本や絵画など異分野から刺激を受けた経験があることは、大人の強みです。
知らないことは想像出来ません。
そういう表現のサンプルに直接的に触れられるのはコンサートやライヴです。
また、身近でリクエストに応じて色々な音を聴くことができる一番のチャンスは普段のレッスンです。
色々な表情のサンプルを聴く機会として、先生に「ここは例えばどんな風に演奏するか聴かせてもらえませんか」など尋ねることができるのはレッスンを受けている方の特権とも言えるでしょう。
コンサートに出かけたときも指回りがどうとか音程がとかそんなことばかりでなく、その奏者が作品をどう解釈してどんな風に表現するのかというところに目を向けられるとより充実した時間にできるかもしれませんよ。
あなたは盛り上がりの表現として、イメージのバリエーションをどれくらい持っていますか?