アレクサンダーテクニーク 思考と心 本番 練習

安心のはずだった奏法なのに

「この部分はこんな奏法で吹く!」

と事前にちゃんと決めて本番でもそうやったのになぜかうまく行かなかった・・。

結構ありがちですが、事前に決めたひとつの奏法が絶対にいつでも上手くいくなんて都合の良い話はそうありません。

たとえば「こんな奏法で」と決めた時はどんな音響の部屋でしたか?

体調や疲れ具合やお天気はどうでしたか?

気温も湿度もお客さんの入りも自分のコンディションも、「本番の状況と全く同じだった」なんてことはありえません。

何もしなくても人体は空腹になったり満腹になったり年を取ったりなど変化していますし、気候も変わり続けています。

そもそもの話、同じことは二度とできないのです。

できるのは常に試し続けることだけ。

「この練習室で、仕事終わりでちょっと疲れてる今日は、こんな風に吹いたらどんな音がするかな?」

「本番前のゲネでドキドキしてる今、音響の良い大きなホールでこう吹いたらどうなるかな?」

そんな風に好奇心と挑戦心を持って演奏に臨めば、もしもそのアイデアで上手く行かなくてもすぐにプランBに切り替えられるでしょう。

そうすれば「こんなはずじゃなかった・・!どうしよう?!」とオタオタすることだって避けられます。

「こんなはずじゃない」の積み重ねが経験であり、その積み重ねからとっさの場面での選択が洗練されていくのです。

そして失敗の経験数に比例して成功の経験数も増えていくでしょう。

また「試したものが上手く行って面白いから色々な状況で何度もトライして再現性を確かめてみる」というのも、ひとつの建設的な実験です。

もしかしたら練習のときに「これなら絶対安心!」と思う奏法を見つけたときは、要注意かもしれませんね。

完全無料

*ezweb・vodafone・softbank.ne.jp・hotmailからのご登録の場合、文字化けやメールの配信エラーが大変多くなっております。恐れ入りますが、それ以外のアドレスからご登録をお願いいたします。

  • この記事を書いた人

有吉 尚子

1982年栃木県日光市(旧今市市)生まれ。小学校吹奏楽部にてクラリネットに出会い、高校卒業後19才までアマチュアとして活動する。20才のときに在学していた東京家政大学を中退し音大受験を決意。2003年洗足学園音楽大学入学。在学中から演奏活動を開始。 オーケストラや吹奏楽のほか、CDレコーディング、イベント演奏、テレビドラマBGM、ゲームのサウンドトラック収録など活動の幅を広げ2009年に洗足学園音楽大学大学院を修了。受講料全額助成を受けロシア国立モスクワ音楽院マスタークラスを修了。  及川音楽事務所第21回新人オーディション合格の他、コンクール・オーディション等受賞歴多数。 NHK「歌謡コンサート」、TBSテレビドラマ「オレンジデイズ」、ゲーム「La Corda d'Oro(金色のコルダ)」ほか出演・収録多数。 これまでに出演は1000件以上、レパートリーは500曲以上にのぼる。 レッスンや講座は【熱意あるアマチュア奏者に専門知識を学ぶ場を提供したい!】というコンセプトで行っており、「楽典は読んだことがない」「ソルフェージュって言葉を初めて聞いた」というアマチュア奏者でもゼロから楽しく学べ、確かな耳と演奏力を身につけられると好評を博している。 これまでに延べ1000名以上が受講。発行する楽器練習法メルマガ読者は累計5000名以上。 現在オーケストラやアンサンブルまたソロで演奏活動のほか、レッスンや執筆、コンクール審査などの活動も行っている。 「ザ・クラリネット」(アルソ出版)、吹奏楽・管打楽器に関するニュース・情報サイト「Wind Band  Press」などに記事を寄稿。 著書『音大に行かなかった大人管楽器奏者のための楽器練習大全』(あーと出版)を2023年8月に発売。Amazon「クラシック音楽理論」カテゴリーにて三週間連続ベストセラー第一位を獲得。 BODYCHANCE認定アレクサンダーテクニーク教師。 日本ソルフェージュ研究協議会会員。音楽教室N music salon 主宰。管楽器プレーヤーのためのソルフェージュ教育専門家。クラリネット奏者。

-アレクサンダーテクニーク, 思考と心, 本番, 練習

Copyright © 2022 聴く耳育成協会 All Rights Reserved.