「もっと歌って!」なんて言われたとき、歌うってどんな風にやることだと解釈していますか?
有吉尚子です。こんにちは!
何となくの気分でルバートすると、タイミングが合わせにくかったりでアンサンブルしている仲間が戸惑ってしまったりしますね。
そして抑揚としてゆらぎが出る音が遠くに行くときやフレーズが終わるときに少しゆっくりしたり繰り返しのパッセージで前に進んだりというのは、長い音をより長くするような自分が気持ちよくなるだけの歌い方とは違います。
「歌は感性だ!」なんて言って理論を無視してしまうと前後関係などの整合性が無くなったりワンパターンでどんなフレーズも同じような歌い方になったりしてしまうことも。
どこが盛り上がりや落ち着きか作品に書かれてることを汲み取って音にするために必要なのが音楽理論です。
個人個人の「自分のセンス」だけでは表現の幅にもアイデアにも限界はあるでしょうが、理論がわかって作曲者の意図を尊重したら、自分だけでは思いつかないような色んな表現が出てきます。
さらにひとつの作品でも向き合うタイミングによって見え方が変わってくるし、同じ作品からでも人それぞれ受取方は違うので、そういうところが個性として現れるものなのではないでしょうか。
それは奇をてらうのとは全然別のことですね。
ワンパターンな歌いまわしの面白くない演奏ではなく自分の音楽をしたい方こそ、「自分のセンス」だけでも「誰かの表現のコピー」だけでも出てこないものに出会える鍵になる音楽理論を知ることは助けになるものですよ!