以前ご紹介した分離唱、実際のレッスンや練習で使うときにはどう応用したら良いのでしょうか。
有吉尚子です。こんにちは!
合奏の合間などで使えるハーモニートレーニング用の楽譜を作りましたのでこれを使ってみましょう。
まず上の段のミの音を声で歌ってみましょう。
下の段は心に余裕があれば自分で、なければお仲間に頼んでピアノやハーモニーディレクターなど和音の出る楽器で弾いてもらって合わせてみます。
これを楽器でなく声でやるのは、楽器を使うより音程の繊細なコントロールができるということ、楽器の操作に気を取られて音程に耳が向かなくなるのを防ぐためです。
ミの音を伸ばすだけですが、周りの音が変化していくことによって第三音になったり第五音になったりします。
それに合わせて気持ちのいい所を探していると自然に音程が微妙に明るくなったり暗くなったりと変化していくのが感じられるはずです。
聴こえる和音によって自分の音も明暗を変えるための導入の練習なので、周りの和音につられないようにまっすぐ伸ばそうと頑張るのではなく思いっきりつられて動いてしまいましょう。
ここで大切なのは長三和音だとか第3音だからどうするとか詳しい人が指図したりしない状況でやることです。
自分自身が自分の耳で周りの和音を聞き取り、自分の判断で音程を上げ下げして気持ち悪い響きになる時とスッキリ調和して気持ちの良い響きになる時があるのを経験するというのがここでの目的です。
他人から高い低いと言われ続けて自分の耳が信用できなくなってしまっために自分で聞き取って判断するのを避ける、というパターンはとても多いです。
まずは自分の耳を使って判断し自分の声でそれに反応する、ということに慣れてみましょう。
それができたら今度は同じことを楽器を使ってやってみます。
自分の声よりも楽器を使う方が音程の微細なコントロールをするのに技術が必要です。
もしレッスンでやるなら先生は音程の上げ下げ自体ではなく上げたい時下げたい時にどうやったらその楽器で思った通りのコントロールができるのかを教えてあげるといいですね。
ぜひ試してみてくださいね!