有吉尚子です。こんにちは!
アレクサンダーテクニークに出会ってから何度も「もっと早くこの知識と観察眼が持てていたら…」と思う瞬間があるのですが、今日はそんなお話です。
私がアレクサンダーテクニークに出会う前に一番調子が良くてどんな楽器でもどんな仕掛けでもやりたいようにできるな、なんて感じたのは大学3年生のころでした。
(母校の写真、映画・ドラマ「のだめカンタービレ」の撮影はここでされました)
なぜ上手くいくのかはさっぱりわからないけれど将来迷ったり困った時に調子の良さを再現できるようどういう仕組みなのか知って覚えておきたいと思いました。
しかし科学的に根拠のある動作を分析するための方法を知らなかったので何となくエネルギーが全身に上手くめぐっているような、漠然と引っ掛かりとか滞りが身体に無いような感じがする、という程度でその原因や何かとの因果関係はわからないままでした。
その後、試験やコンクールなどで「何としても上手くやらなきゃ!」なんて思っているうちに音質についてわからなくなってセッティングをやたらと変えたりなど迷宮に入り込んでしまいます。
迷宮に入りっぱなしでは困るので上手くいってたときのことを再現しようとはするもの、上手くいってたときのことを論理的に分析・記録できていたわけではなく漠然とした感覚の記憶しかなかったので何をやれば調子が良くなるのかはさっぱりわからないまままあそんなものかと思ってる内に数年が過ぎて行きました。
音質・音色やフレージングをコントロールしようと思っても身体をどう使うかで音質に影響があるのかそれともないのか、あるとしたらどんな影響があるのかなんてこともあやふやで、もちろん身体の状態や動作の質を左右するポイントになる関節があるなんてことも知るわけありません。
アレクサンダーテクニークを教えるための勉強をしてみて、
・上手くいってるときは全身が演奏のためにうまく協調していて、その状態を意図的に作るための方法があること
・良い状態を再現したければ感覚に頼らずそのために必要な手順を明確にすること
ということがよくわかりました。
学生のときに知っておけたら…なんてとても思います。
アレクサンダーテクニークはよくわからないし難しそう、なんて言われてしまうこともありますが、そのとき行ってることを良い悪い関わらず科学的に分析できるから再現性があるというのが演奏に役に立つ面のひとつです。
もっと向上したい、良い音楽をしていきたいと努力している全ての方に、伝えられたらと思っています。