学生時代に受けたレッスンでなるほど確かに!と思ったことがありました。
それはまだ譜読みが出来ていない曲を、週に一回あるクラリネットのレッスンに持って行った時のこと。
そこで先生から怒るでもなく呆れたように言われたのが「これでオレに一体どうしろっていうの?」というひとこと。
どこが指が追いついていないかとか楽譜が読めていないかは自分でわかっているし、そのための練習の仕方をわたしが知っているということも先生はわかっています。
その時は大学院も2年生だったので、もうレッスンは運指を教わったり練習方法を教わる場面ではなく、歌い方や音楽の運びを自分で作ってそれに対して意見をいただくというようなことがメインでした。
そんなタイミングで音楽がどうこうではない譜読みが間に合っていない状態を見せられたって、教える方からしたら言えることは何もありませんよね。
「一体どうしろっていうの」という言葉が出るのも当然です。
なのでそのときは「今回はまだこんな状態なので来週までに仕上げて来ます」と言って帰りました。
普段お仕事が忙しかったり家庭の事情があったりで練習時間がとれず、レッスンの場で練習したいとか練習の仕方を教えてもらうという目的でレッスンに行くならもちろんそれでもいいでしょう。
それはそれで目的がはっきりしているし、レッスンではリクエスト通りのことをできますから問題ありません。
レッスンはただなんとなく行けば魔法をかけてもらって上手くなるというものではなく、それぞれやりたいことや自分なりの課題があって行くもの。
なので作ってみた音楽について意見がほしくて行くのに、その音楽を持っていかない、というのはアウトです。
何しに行くのか目的がわかりませんから。
そんなことをふと懐かしく思い出したのでした。