今はわたしはレッスンという仕事はやりがいもあり好きだと感じています。
でも若いときには演奏することに比べて教えることは、わからないことが多いし仕事にするつもりはなかったので教職免許も取らないままで大学を卒業しました。
ところがご縁があってまだ学生のときからレッスン業を始めさせていただき、また講習会に講師として読んでいただいたりするうちに、「これは演奏スキルとは別物の知識や技術が必要なものだな」と気がつきました。
経験を重ねるうちに慣れていく面はありますが、レッスンや講習会の進め方や内容選定をきちんと学ぶ機会は実のところあまりありませんし、同じ現場で仕事をするプレーヤー仲間と休憩中や帰り道などで「教えるための勉強もしてみたいよね」などとよく話していました。
実際アレクサンダーテクニークに出会うまでのわたしのレッスンは、自分がレッスンを受けた経験やクラリネットを練習する段階で知りたかったと思うようなことをメインに取り上げていました。
だから自分と同じようにプロを目指して学んでいるような人には、どう進めて行くか容易に段取りが組めます。
でも、そうではなく趣味としてだったり楽しむことが第一という方には、何をどう伝えたら役立てて貰えるかわからず手探り状態でした。
その後アレクサンダーテクニークに出会い、「面白いからこれは自分も教えられるようになりたい!」と思って教師資格を取りましたが、ここでは「ティーチング」といって教えることも実習しつつクラスの参加者と意見をシェアしあいつつ学ぶ仕組みがあります。
クラスの先生もそうですし、そこに参加して一緒に学んでる音楽家仲間とも意見を交換したり、アイデアをシェアし合ったりという機会がそこで得られました。
今でも目指したいことや学び方が自分と違うタイプの方には、本当にご本人の望むことに近づく助けになっているかどうか手探りなことは変わりません。
それにアレクサンダーテクニークが万能だなどということもありません。
とはいえ、
・受ける人の望みがどこにあるのか決めつけずに尊重すること、
・生徒さんが望む方向に向かって行くために講師として出来ることとできないこと、
・試行錯誤するときの考え方の軸、
など教えるという作業に取り組みむに当たって大切なことを勉強することが出来ました。
ストイックに探求したい派の方は方向性が自分と同じなので違和感なく接することができても、そうではなく単純に楽しく感じることが大切だったり音楽以外に大事なものがある方に、どうしたら楽しいだけでなく今後役立てていただけることをお伝え出来るのか。
そんなことに目を向けることが出来るようになったのが、アレクサンダーテクニークを学んで良かったなと思う面の一つなのでした。
オチはありません。