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他人には効かないトラブル対処法

 

このトラブルにはこの対処法!という思い込みによる決めつけ指導、実際のレッスン現場ではあり得ませんがSNSや質問サイトなどではよく見かけます。

そんな短絡的思考で上達するならだれも苦労しませんよね。

どこかで誰かが言っていたようなテンプレアドバイスで個別のお悩みは解決しません。

なぜかというと、他人からは同じような問題に見えたとしても人によって原因が違うから。

知り合いの誰それがやって改善したことをそっくりそのまま自分も取り入れてみても、原因が違ったら全く効果が出ないのは当たり前です。

たとえば、出だしのタイミングがいつも遅れてしまいがちな人のパターン。

Aさんは拍子のカウントが苦手で遅れてしまうとします。

その場合は自分の中でカウントできるようにするトレーニングが必要です。

Bさんはカウントは出来るけれど、息を吹き込み始めるときについ胸や肩で力んでしまうために発音が遅れています。

そんな場合は吹き込みに必要な動作や身体の仕組みを確認することが役立ちます。

この二人のパターン、結果として発音タイミングがズレることが問題だとしても原因も対処法も全く違うでしょう。

他にもこういうことはたくさんあります。

奏法もソルフェージュも、「発音が遅れるならこれを気をつければ良い」なんて簡単な方程式が成り立つような単純なことではありません。

メディアの記事や紙上レッスンなど参考にする場合も、身近な仲間に相談するような場合も、また誰かにアドバイスするときにも、解決したいことの見えやすい症状の部分だけでなくそれぞれの原因と対処法も注意を払いたいものですね。

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  • この記事を書いた人

有吉 尚子

1982年栃木県日光市(旧今市市)生まれ。小学校吹奏楽部にてクラリネットに出会い、高校卒業後19才までアマチュアとして活動する。20才のときに在学していた東京家政大学を中退し音大受験を決意。2003年洗足学園音楽大学入学。在学中から演奏活動を開始。 オーケストラや吹奏楽のほか、CDレコーディング、イベント演奏、テレビドラマBGM、ゲームのサウンドトラック収録など活動の幅を広げ2009年に洗足学園音楽大学大学院を修了。受講料全額助成を受けロシア国立モスクワ音楽院マスタークラスを修了。  及川音楽事務所第21回新人オーディション合格の他、コンクール・オーディション等受賞歴多数。 NHK「歌謡コンサート」、TBSテレビドラマ「オレンジデイズ」、ゲーム「La Corda d'Oro(金色のコルダ)」ほか出演・収録多数。 これまでに出演は1000件以上、レパートリーは500曲以上にのぼる。 レッスンや講座は【熱意あるアマチュア奏者に専門知識を学ぶ場を提供したい!】というコンセプトで行っており、「楽典は読んだことがない」「ソルフェージュって言葉を初めて聞いた」というアマチュア奏者でもゼロから楽しく学べ、確かな耳と演奏力を身につけられると好評を博している。 これまでに延べ1000名以上が受講。発行する楽器練習法メルマガ読者は累計5000名以上。 現在オーケストラやアンサンブルまたソロで演奏活動のほか、レッスンや執筆、コンクール審査などの活動も行っている。 「ザ・クラリネット」(アルソ出版)、吹奏楽・管打楽器に関するニュース・情報サイト「Wind Band  Press」などに記事を寄稿。 著書『音大に行かなかった大人管楽器奏者のための楽器練習大全』(あーと出版)を2023年8月に発売。Amazon「クラシック音楽理論」カテゴリーにて三週間連続ベストセラー第一位を獲得。 BODYCHANCE認定アレクサンダーテクニーク教師。 日本ソルフェージュ研究協議会会員。音楽教室N music salon 主宰。管楽器プレーヤーのためのソルフェージュ教育専門家。クラリネット奏者。

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