何か上手くいかないことがあったようなとき、表面的に問題を見えにくくして解決した気になっていても根本的に原因になってることを放置しては新たな問題を生んでしまったり遠回りになってしまうこともあるものです。
またそれを反対に考えると、心身のことが原因になっているトラブルは、身体の根本的な協調作用を整えることで末端の問題に直接アプローチしなくても解決するケースもあるということ。
身体がそもそも持ってる調整機能がちゃんと働くようにすると、勝手に上手くいくようになるというのはアレクサンダーテクニークのレッスンでは実はよくあることです。
その協調作用のことを「プライマリーコントロール(初源的調整作用)」と呼ぶのですが、これが上手くいかなくなる原因は身体や思考などシステムの勘違いなど。
例えば音がわかってないのに演奏しようとするような現実的に実行可能でないことをしようとする意図があったり、物理的に身体の構造を勘違いして動かそうとしていたり。
それに対して根本原因を解決するために末端の動作に直接アプローチすることもあれば、全然関係のないトピックから間接的にアプローチすることも可能でしょう。
直接的アプローチも間接的アプローチも、手法は違っても狙いは同じということも多いもの。
そのアプローチの仕方の違いが、講師の個性だったり考え方の特徴だったりするわけです。
例えば指の動きに問題を抱えている場合に、直接指の関節や筋肉のことを見てみるアプローチと、指の動きを良くするために股関節の状態を確認するようなアプローチ。
どちらも解決したいのは指の動きですが、指の動きに影響する他の部位の不具合を解決しなければ根本解決に至らない場合も多いもの。
受講者さんがすでに興味を持っているトピックから話を掘り下げるか、受講者さんが無自覚に抱えていた問題に焦点を置くことで全体を見つめ直すきっかけを作るか、それは講師の状況判断次第になるでしょう。
どちらにせよ根本的な問題が何かということを見分けられなければ話になりませんが、様々なスタイルのレッスンがあるものだということを知っておくと指導を受ける機会や体験レッスンを受けて相性の合う先生を選ぶ時の参考になるかもしれません。
自分で個人練習をするときにも、どういうアプローチで探求していくのか意識的であると再現性の高い練習ができる様になりますよ。