今回は筋肉のことについて少し整理してみましょう。
筋肉にできることは3種類です。
・縮むこと
(何かしら力を発揮するとき)
・弛緩してゆるむこと
(力を発揮していないとき)
・伸びること
(よそから引っ張られたとき)
まず第一の縮むこと。
筋肉は縮むときに力を発揮する、というのはわかりきっているでしょう。
このときは簡単に言うと、筋肉の付いている両端が近付く動きをします。
たとえば上腕二頭筋(力こぶの筋)なら、この筋の付着してる両端である上腕と前腕が近くなるのでひじが曲がります。
次の弛緩すること。
これは縮むのをやめることです。
だらっと垂れ下がっていなくても、何も頑張っていなければゆるんで弛緩してます。
寝てるときなんかは弛緩してることが多いもの。
例えば口を閉めておく筋肉が緩むと、パカッと口が開けっぱなしになるわけです。
最後、他の筋肉や重力に引っ張られて伸びること。
筋肉の働きは縮むことですから「はい!のびまーす!」と自分で伸びる動きはできません。
弛緩してるときに他の筋肉に引っ張られる場合と、縮んでるときそれ以上の力でよそから引っ張られる場合、伸びていきます。
注意したいのは、筋肉が伸びることでは何か力を発揮することはできないということ。
力を発揮するときは必ず縮む動きをともないます。
だからたとえばひじが曲がらないよう頑張って伸ばしておくとき、上腕二頭筋の反対側(二の腕のタプタプする側)にある上腕三頭筋が頑張っているのであって、二頭筋(力こぶの筋)はひじを伸ばすという動きに対してはジャマしかできないのです。
ということは逆に言うとちょっとずつゆっくり腕を伸ばしていきたければ、二頭筋がジャマをして動く速度を遅らせるという働きができます。
こういうことは指にも唇にも呼吸にも当てはまります。
ひとつの動作をする筋肉と、それとは反対の動きをする筋肉。
これがお互いに働きあってるのが普通ですが、効率を考えたいときにはお互いにジャマしあわない程度で拮抗しているのがいいかもしれません。
動きについて考えるときにぜひ参考にしてみてくださいね!