忙しい中でせっかく時間を取るなら無駄な練習ではなく意味のある上達する練習をしたいもの。
何のために役立つのかわからないけれど、とりあえず音を長くのばすのが目的のロングトーンなんて時間の無駄かもしれません。
ロングトーンによって音を安定させるとか、息をコントロールする筋肉のウォーミングアップをするとか、何かしらの意味があるならそれを明確に意図する必要があります。
「ただまっすぐに音を伸ばす」という意図では、何の表情も目的地もなくただまっすぐに伸ばす音なんて、曲の中ではそうそう必要とされません。
「基礎練習がつまらない」という声は初心者から多く聞こえてきますが、つまらないと感じてしまうのは、何のためにやってるかわからないからというのがひとつの原因かもしれません。
学生のときに興味も無いし何の役に立つのかわからない教科がつまらなかったのと同じです。
たとえば次に向かって躍動的になってエネルギーを増していく音の伸ばし方の練習だったらどうですか?
終わりに向けて穏やかになっていく長い音の練習は?
繊細な響きから荒々しい音へ変化させていく練習は?
これなら楽しいのではないでしょうか。
また必ずしも音楽的ではなかったとしても、できるだけ短時間で身体をウォーミングアップしてクオリティの高いパフォーマンスに備えるという目的も途中でつまらなくなったりはしないでしょう。
それは意図が明確だから。
何の役に立つかわからないことを、決まった時間いっぱいまで、ただ単に続けるというのは、はっきり言って何の役にも立ちません。
音階練習もエチュードも、「これは何のためにやるんだろう?」ということを実際に言葉で説明してみると、練習の効率はものすごく上がりますよ。
何の役に立つかわからないけど先生にすすめられた練習法があるのなら、ぜひその先生にどういう意図でオススメしてくれたのかを尋ねてみましょう。
ついでにどういうところに気を付けて練習したらいいか、できないところはどうやったらできるようになるか、そういう技術的なことも確認できたらより効率的な練習時間が過ごせるようになるかもしれません。
忙しい中でせっかく時間を取るなら、その時間を有効活用したいものですね!