ソルフェージュ 練習

リアルな練習の手順をご紹介

練習していてもいつ仕上がりそうか全く見通しが立たないと途中でくじけそうになりますが、どんなステップでどんな風に進めればいつごろ出来るようになるかある程度想像が出来るとモチベーションを保ったまま練習を進めることができるでしょう。

今回はややこしいパッセージなど出てきたときの普段のわたしの練習の手順をご紹介します。

初見のレコーディングなどではなく、初合わせまでに準備期間がいくらかある場合の練習について書いてみますね。

1.
まず最初に楽譜を手にしたら、音を出す前にスコアを見て他のパートとの絡みで注意が必要そうなところをチェックして楽譜にメモしておきます。

2.
次に実際に吹いてみて、とにかくインテンポで最後まで通してみます。

間違えようがなんだろうが止まらず吹いてみて、全体の流れやイメージを掴むのがここでの目的です。

間違える習慣がつかないように、上手くいっていないところは気になっても絶対にここで繰り返し吹くようなことはしないよう気をつけています。

3.
ややこしい箇所やテクニカルでやりにくい部分はさっき通してわかったので、その部分を絶対に間違わないで吹けるテンポはどれくらいか探ります。

4.
ややこしい箇所が安全に出来るテンポでメトロノームをかけてそのテンポで全体を通します。

ここでは細かい音やアーティキュレーションなどを正確に把握するのが目的です。

このときに指順をメモしたり心配なところを取り出して出来るまで繰り返し練習します。

5.
だんだんテンポを上げて行きます。ゆっくりのテンポで絶対に安全だと思ったら、メトロノームの目盛りを3−5ポイント上げます。

やってみて細かい複雑な箇所が「速くなった!追いつかない!」と感じるようなら一旦元のテンポに戻して動きを整理しなおします。

改めて整理できたらテンポアップの幅をもっと少なくしつつつ、メトロノームの目盛りを上げていきます。

6.
5を繰り返して目標テンポより10くらい速いところまで上げます。

これは合わせのときに万が一「試しに少し速めのテンポでやってみよう!」なんてことになっても安心な状況にしておくためです。

お互い忙しい中せっかく集まって合わせをするのに「今日はテンポ132までしか練習してません」というわけにはいきませんからね。

準備時間のあるなしなど状況によって練習の仕方は変わりますが、わたしはこの手順だと大抵の曲はストレスなく練習を進められます。

「いいかも!」と思ったらぜひ取り入れてみてくださいね!

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  • この記事を書いた人

有吉 尚子

1982年栃木県日光市(旧今市市)生まれ。小学校吹奏楽部にてクラリネットに出会い、高校卒業後19才までアマチュアとして活動する。20才のときに在学していた東京家政大学を中退し音大受験を決意。2003年洗足学園音楽大学入学。在学中から演奏活動を開始。 オーケストラや吹奏楽のほか、CDレコーディング、イベント演奏、テレビドラマBGM、ゲームのサウンドトラック収録など活動の幅を広げ2009年に洗足学園音楽大学大学院を修了。受講料全額助成を受けロシア国立モスクワ音楽院マスタークラスを修了。  及川音楽事務所第21回新人オーディション合格の他、コンクール・オーディション等受賞歴多数。 NHK「歌謡コンサート」、TBSテレビドラマ「オレンジデイズ」、ゲーム「La Corda d'Oro(金色のコルダ)」ほか出演・収録多数。 これまでに出演は1000件以上、レパートリーは500曲以上にのぼる。 レッスンや講座は【熱意あるアマチュア奏者に専門知識を学ぶ場を提供したい!】というコンセプトで行っており、「楽典は読んだことがない」「ソルフェージュって言葉を初めて聞いた」というアマチュア奏者でもゼロから楽しく学べ、確かな耳と演奏力を身につけられると好評を博している。 これまでに延べ1000名以上が受講。発行する楽器練習法メルマガ読者は累計5000名以上。 現在オーケストラやアンサンブルまたソロで演奏活動のほか、レッスンや執筆、コンクール審査などの活動も行っている。 「ザ・クラリネット」(アルソ出版)、吹奏楽・管打楽器に関するニュース・情報サイト「Wind Band  Press」などに記事を寄稿。 著書『音大に行かなかった大人管楽器奏者のための楽器練習大全』(あーと出版)を2023年8月に発売。Amazon「クラシック音楽理論」カテゴリーにて三週間連続ベストセラー第一位を獲得。 BODYCHANCE認定アレクサンダーテクニーク教師。 日本ソルフェージュ研究協議会会員。音楽教室N music salon 主宰。管楽器プレーヤーのためのソルフェージュ教育専門家。クラリネット奏者。

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