アレクサンダーテクニーク 練習 身体の仕組み

細かい音を見ると指がもつれる?

速くて複雑なパッセージに備えて「楽譜をよく見て、やるぞ!」と気合いを入れ音を出した途端に指がもつれてしまった!

そんなときは「あーも!何をやってるんだか!」と自己嫌悪になったりもするかもしれません。

ジストニアや怪我などの問題があるわけでなくても指の動きは身体の比較的末端での動きなので、軸に近いところの影響を受けてしまいます。

つまり腕や肩などので動きが悪くなっていると、その影響でより動きにくくなるということ。

例えば楽譜を覗き込むために楽器を身体に引きつけて腕を引き込んでいたり、

姿勢良く構えるために胸を張る動作をしたり、

そういう身体の軸での動きは、指回りにとっては不自由な状態になってしまいます。

そういわれてもピンとこなければ、試しに腕で楽器を引き寄せながら細かい音符を覗き込むように楽譜に近づきつつ吹く場合と、腕にも楽器にも充分なスペースがある状態で吹くのを比べてみるとよくわかります。

動きとしてはほんの些細な違いなのですが、吹き心地は結構変わるでしょう。

楽器の運指コントロールはとても繊細な動きですから、小さな動きの質の違いの積み重ねでパフォーマンスは大きく左右されてしまいます。

これは「どう楽譜を見るか」が指回りに影響している例ですが、こういう一見関わりのなさそうな演奏動作が関係しあっているということは他にも無数にあります。

わたしが初めてアレクサンダーテクニークのレッスンを受けたころ。「こんな一見どうということのないただのクセがこんなに音に影響してたなんて!」とよく驚いていました。

わたしたちは骨格や筋力だけでなくそれぞれ色々なクセや動きの特徴を持っていて、そういう要素が絡み合ってパフォーマンスの質を決定づけているのです。

教える機会のある方は自分のクセだけでなく、他人の動きのパターンや特性を知っておくのも大切です。

グループレッスンは自分の動きだけでなく他の受講者の動きを観察することからも学べるので興味深いものですよ!

 

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  • この記事を書いた人

有吉 尚子

1982年栃木県日光市(旧今市市)生まれ。小学校吹奏楽部にてクラリネットに出会い、高校卒業後19才までアマチュアとして活動する。20才のときに在学していた東京家政大学を中退し音大受験を決意。2003年洗足学園音楽大学入学。在学中から演奏活動を開始。 オーケストラや吹奏楽のほか、CDレコーディング、イベント演奏、テレビドラマBGM、ゲームのサウンドトラック収録など活動の幅を広げ2009年に洗足学園音楽大学大学院を修了。受講料全額助成を受けロシア国立モスクワ音楽院マスタークラスを修了。  及川音楽事務所第21回新人オーディション合格の他、コンクール・オーディション等受賞歴多数。 NHK「歌謡コンサート」、TBSテレビドラマ「オレンジデイズ」、ゲーム「La Corda d'Oro(金色のコルダ)」ほか出演・収録多数。 これまでに出演は1000件以上、レパートリーは500曲以上にのぼる。 レッスンや講座は【熱意あるアマチュア奏者に専門知識を学ぶ場を提供したい!】というコンセプトで行っており、「楽典は読んだことがない」「ソルフェージュって言葉を初めて聞いた」というアマチュア奏者でもゼロから楽しく学べ、確かな耳と演奏力を身につけられると好評を博している。 これまでに延べ1000名以上が受講。発行する楽器練習法メルマガ読者は累計5000名以上。 現在オーケストラやアンサンブルまたソロで演奏活動のほか、レッスンや執筆、コンクール審査などの活動も行っている。 「ザ・クラリネット」(アルソ出版)、吹奏楽・管打楽器に関するニュース・情報サイト「Wind Band  Press」などに記事を寄稿。 著書『音大に行かなかった大人管楽器奏者のための楽器練習大全』(あーと出版)を2023年8月に発売。Amazon「クラシック音楽理論」カテゴリーにて三週間連続ベストセラー第一位を獲得。 BODYCHANCE認定アレクサンダーテクニーク教師。 日本ソルフェージュ研究協議会会員。音楽教室N music salon 主宰。管楽器プレーヤーのためのソルフェージュ教育専門家。クラリネット奏者。

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