忙しい社会人には練習時間と練習場所の確保が大問題ですよね。
忙しくても楽団の練習日までに細かいパッセージなどをなんとか練習しておきたい!
そんなときに使えるアイデアです。
有吉尚子です。こんにちは!
細かい速いパッセージが楽譜にあるとき、メトロノームをインテンポに設定して間違えようとつっかえようと構わずとにかくそれに合わせてトライし続ける、というのは実は一番上達しない練習方法なんです。
いきなり慣れていない難しいことをやろうとしてもできないのは普通のことです。
そして無理やりインテンポでやろうとして、できなくて途中で止まったりテンポが遅くなったり間違えたりしたら、身体はそのまま動作を記憶します。
それでは間違えるクセやつっかえるクセをつけているようなもの。
つまり、こういう練習はやればやるほど下手になってしまうのですね。
それにこの方法では楽器を吹けないときは何もできません。
じゃあどうしたら?
まず、楽譜に書いてある音を声に出して読んでみましょう。
音程のない棒読みでもいいですよ。
余裕のある人は音程をつけて音読してもいいでしょう。
この時にいい声を出そうとか美しくハミングしようなんて全く思わないで大丈夫。
声の質に気を取られるのはここでやりたいことから離れてしまうので、いつもの何気ない時の声でやってみましょうね。
音色の変化をつけてみたりフレーズはどこまでかな?なんて同時に考えたりできるとなお良いですね!
絶対につっかえたり間違えたりしないほどのゆっくりテンポでよどみなく音が言えるようになったら少しだけ速くしていきます。
ポイントはほんの少しのテンポアップにすること。
それを繰り返してインテンポで音が言えるようになったら、楽器を出してみましょう。
テンポは一度ゆっくりに戻して音読しつつ同時に読んでる通りに指を動かしてみます。
ここまでならキーやピストンがパタパタいうくらいですから家族が隣の部屋で寝ていても、滞在先の壁の薄いホテルでも、他人に迷惑をかけずに練習できますね。
それができたら、実際に音を出しながらアンブシュアやブレスなどのコントロールに慣れていきます。
これもまた一度ゆっくりテンポに戻して少しずつ速くしていくのが良いですよ!
この手順で練習すると、やみくもに最初からインテンポでトライする場合よりずっと少ない時間で出来るようになります。
お仕事から帰ったらビールの缶をぷしゅっとやる前に一日10分だけ楽譜を音読&指パタパタ練習をしてみると、「忙しいはずなのにこんな難しいことをいつ練習したの?!」なんて音楽仲間に驚かれちゃうかもしれません!
ぜひ試してみてくださいね!