アレクサンダーテクニーク 思考と心 本番 練習 身体の仕組み

あれこれ気になって演奏に集中できないとき

一言で「緊張していない」と言っても緊張していない状態にも色々あるもの。

緊張を避けようとするあまり単に緊張感がない演奏になってしまっては魅力激減で本末転倒です。

今回は緊張していない状態について考えてみましょう。

緊張してないのは余裕があるから?

本番中に干してきた洗濯物が雨にあってないか心配になったり打ち上げのことをきにしたり、突然演奏に関係ないことが頭に浮かんでくる瞬間ってないでしょうか。

そんな違うことを考えてしまう時って
「緊張してないし自分余裕だな〜」
なんて思ってしまうかもしれません。

確かに緊張してパニックになったりやたらテンポが走ったり指が絡んでしまったり、という余裕のなさではありませんね。

とはいってもそういう状態のときっていわゆる「熱演」にはなりにくいもの。

奏者の心にいくら余裕があったって演奏に魅力がなければ無意味。

それでは何のために心に余裕を持ちたいのかわけがわかりませんよね。

 

どうして違うことを考えちゃうのでしょう

実はこの思考がよそへ行ってしまうのって余裕があるのではなく「演奏に集中する」というスキルが低いから起きることも多いのです。

もちろんお客さんの反応を見てMCを変えたり!会場の残響によって語尾の処理を工夫したりというように、自分の楽器コントロールだけに夢中にならずに周りを見渡すことも必要です。

でも目の前の演奏に関係ない夕ご飯のメニューやら打ち上げ会場へのアクセスやらそんなことが気になるなら、それは残響をモニタリングして語尾の処理を工夫しようという意図のある思考ではなく、ただ単に思考を選べていない状態。

決して余裕がある状態ではないのです。

作品の魅力が存分に伝わってくる魅力的な演奏をする奏者は、演奏中に考えることも自分でちゃんと選んでいます。

夕飯のメニューが気になってもたった今吹いているソナタのどこがどう面白いのかに集中するという思考の選択を出来るのです。

もしも本番中に夕飯のメニューが気になって仕方ないとしたら、そういう思考の選択をする訓練ができていないということ。

そして思考の選択は練習次第で誰にでも出来るものなのです。

 

どうしたら集中できる?

ではどうしたらとっさの場面で思考を自分で選べるのでしょうか。

出来ることは二つあります。

それは

1.常に何を考えるかを選んでいるのは自分自身だと知る

2.今考えたいことと違うことが頭に浮かんできたら考えたいことを思い出す

ということ。

1.の「常に何を考えるかを選んでいるのは自分自身だと知る」はこの記事を読んだ時点でクリアしていますよね。

思考はコントロールできないと思っていれば一生コントロールできません。

でも自分でコントロール出来るんだと知っていればそのために何かしらの努力ができますね。

そして次に2.の
「今考えたいことと違うことが頭に浮かんできたら考えたいことを思い出す」
これは習慣になるまで繰り返しやり続けることで咄嗟の場面でも出来るようになっていきます。

わたしたち楽器奏者は指の練習はするのに思考のトレーニングをしないなんて変ですよね。

身体の動きは思考が司っていますから、思考をコントロールできなければ身体の動きだってコントロールできません。

微細なレベルで演奏のクオリティが上がらなくて悩んでいるなら、思考のコントロールをブラッシュアップしてもいいかもしれませんね。

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  • この記事を書いた人

有吉 尚子

1982年栃木県日光市(旧今市市)生まれ。小学校吹奏楽部にてクラリネットに出会い、高校卒業後19才までアマチュアとして活動する。20才のときに在学していた東京家政大学を中退し音大受験を決意。2003年洗足学園音楽大学入学。在学中から演奏活動を開始。 オーケストラや吹奏楽のほか、CDレコーディング、イベント演奏、テレビドラマBGM、ゲームのサウンドトラック収録など活動の幅を広げ2009年に洗足学園音楽大学大学院を修了。受講料全額助成を受けロシア国立モスクワ音楽院マスタークラスを修了。  及川音楽事務所第21回新人オーディション合格の他、コンクール・オーディション等受賞歴多数。 NHK「歌謡コンサート」、TBSテレビドラマ「オレンジデイズ」、ゲーム「La Corda d'Oro(金色のコルダ)」ほか出演・収録多数。 これまでに出演は1000件以上、レパートリーは500曲以上にのぼる。 レッスンや講座は【熱意あるアマチュア奏者に専門知識を学ぶ場を提供したい!】というコンセプトで行っており、「楽典は読んだことがない」「ソルフェージュって言葉を初めて聞いた」というアマチュア奏者でもゼロから楽しく学べ、確かな耳と演奏力を身につけられると好評を博している。 これまでに延べ1000名以上が受講。発行する楽器練習法メルマガ読者は累計5000名以上。 現在オーケストラやアンサンブルまたソロで演奏活動のほか、レッスンや執筆、コンクール審査などの活動も行っている。 「ザ・クラリネット」(アルソ出版)、吹奏楽・管打楽器に関するニュース・情報サイト「Wind Band  Press」などに記事を寄稿。 著書『音大に行かなかった大人管楽器奏者のための楽器練習大全』(あーと出版)を2023年8月に発売。Amazon「クラシック音楽理論」カテゴリーにて三週間連続ベストセラー第一位を獲得。 BODYCHANCE認定アレクサンダーテクニーク教師。 日本ソルフェージュ研究協議会会員。音楽教室N music salon 主宰。管楽器プレーヤーのためのソルフェージュ教育専門家。クラリネット奏者。

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