今日は演奏のことから少し離れて、世界各地の楽器をご紹介。
有吉尚子です。こんにちは!
世界中で地方ごとに特色のある色んな楽器や音楽の形態が発展してきてるわけですが、その地域ごとで発展する音楽って気候の影響を受けているものです。
アジアは湿潤な場所で育ちやすい竹がたくさんあり、それを楽器にしようとしました。
鍵盤風に並べて叩いたり、指穴を開けて吹いたり、ザラザラにして表面をこすったり、しならせて弦を張ったり。
吹くものの例は尺八やケーナがありますね。
大陸では植物より動物が身近で、食料にした残骸の皮や骨などを使いました。
例えば皮を器に貼って太鼓にしたり、腸を伸ばして弦楽器の弦にしたり、牙や角でラッパや笛にしたり。
ホルンは角笛が起源ですが、名前からもわかりやすく動物の角が材料ですね。
スコットランドで使われるバグパイプというのは面白いですよ。
動物の皮のバッグにして、パイプを何本も差し込んでいます。
パイプのひとつからは皮バッグに息を吹き込み、もうひとつのパイプには指穴をつけてメロディーが作れるようになっています。
残りのパイプはずっと同じ音程で音が鳴りっぱなしになる通奏管(ドローン管)というのになってます。
空気の入るバッグは脇に抱えて吹き込んだ息は脇のコントロールで各パイプへ流れます。
ひとりでいくつもの音が出ている面白い楽器です。
ペルシャで使われていたセタールという三本の弦の楽器は、中国に伝わり三弦と呼ばれ本体には猫の皮が張られていましたが、さらに沖縄に伝わって来たら沖縄には猫なんてそんなに居ないわけです。
沖縄にたくさんいるのは、ヘビ。
ということで、ヘビの皮を張ったのが沖縄の三線です。
それが日本の本土に伝わって、今の三味線になりました。
それからアフリカの太鼓は隣の村との通信手段だったそうで、皮の張り具合を調整する紐がついてます。
これを強く抱えたり弛めたりして音程など変化をつけて叩き合い隣村と通信したそう。
太鼓で会話なんてびっくりですが現代のコールアンドレスポンスにも通じますね。
この楽器はトーキングドラムとして現代にも残っています。
他にも木や骨に弦を張ったハープ、木や骨、石をたたく鍵盤楽器など各地で特色ある楽器が色々見られます。
中身が空洞なものは良い共鳴体。
中身が空洞でない石や金属はきらびやかで鋭い音。
ちなみにロシア正教では楽器は悪魔の道具で堕落を引き起こす!として長いこと禁じられていたそうです。
そのため、アカペラの声楽や合唱が発達したというわけ。
今でこそ歴史に残る大作曲家がたくさん在籍していたモスクワやペテルブルグの音楽院が有名だし、社会主義時代の音楽教育への力の入れようで作曲家だけでなく演奏家も含めて多くの偉大な音楽家を輩出してきた国ですが、意外な歴史ですね。
楽器博物館なんて行くと面白いかもですね!
音楽仲間にこういうお話を披露すると「へー!」となるかもしれません。
ぜひ宴会での小ネタに使ってくださいな!