練習 身体の仕組み

スケール練習の弊害

スケール(音階練習)って、レッスンを受けたり教則本を見たりすると必ず出くわしますよね。

有吉尚子です。こんにちは!

全部の調で音階が吹けるとシャープやフラットが多いからって不安にならずテクニックに余裕が持てますし、調性感も身に付きますからこれはとても良い練習です。

とは言ってもドレミファ………ソファミレドと順番に上がって下がって、というパターンだけをやっていることには実は問題もあるんです。

この順次進行の音形で指を一本ずつ順番に離して行く・押さえていくというのを続けていると、その動きがクセになります。

練習するというのは必要なときに無意識で行えるようにクセをつけるというのと同じ意味ですから、クセがつくこと自体は悪いことではありません。

ただ、実際の曲の中で吹くときは一本ずつ順番の動きだけじゃありませんよね。

3度、4度でなん本も指を一緒のタイミングで動かすこともあるし、中指だけ残して他の指を全部同時に上げるようなこともあるし、色んなパターンがあるわけです。

そういうときに指がバラけて違う音が入ってしまうのは、順次進行のスケールばかりをやっていたときに起きてしまう弊害の一つです。

「指はバラバラに一本ずつ動かすもの」という風に脳が記憶してしまっているのですね。

色んなパターンの音形に安定して対応できるようにするためには、音階練習は順次進行だけでなくドミレファミソ…など3度でのスケール、

ドファレソミラなど4度でのスケール、

アルペジオ(分散和音)など、

色んなパターンで行いましょう。

それが全部の調で吹けたら、テクニックもかなり向上するはずですよ。

ピンときたら取り入れてみてくださいね!

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  • この記事を書いた人

有吉 尚子

1982年栃木県日光市(旧今市市)生まれ。小学校吹奏楽部にてクラリネットに出会い、高校卒業後19才までアマチュアとして活動する。20才のときに在学していた東京家政大学を中退し音大受験を決意。2003年洗足学園音楽大学入学。在学中から演奏活動を開始。 オーケストラや吹奏楽のほか、CDレコーディング、イベント演奏、テレビドラマBGM、ゲームのサウンドトラック収録など活動の幅を広げ2009年に洗足学園音楽大学大学院を修了。受講料全額助成を受けロシア国立モスクワ音楽院マスタークラスを修了。  及川音楽事務所第21回新人オーディション合格の他、コンクール・オーディション等受賞歴多数。 NHK「歌謡コンサート」、TBSテレビドラマ「オレンジデイズ」、ゲーム「La Corda d'Oro(金色のコルダ)」ほか出演・収録多数。 これまでに出演は1000件以上、レパートリーは500曲以上にのぼる。 レッスンや講座は【熱意あるアマチュア奏者に専門知識を学ぶ場を提供したい!】というコンセプトで行っており、「楽典は読んだことがない」「ソルフェージュって言葉を初めて聞いた」というアマチュア奏者でもゼロから楽しく学べ、確かな耳と演奏力を身につけられると好評を博している。 これまでに延べ1000名以上が受講。発行する楽器練習法メルマガ読者は累計5000名以上。 現在オーケストラやアンサンブルまたソロで演奏活動のほか、レッスンや執筆、コンクール審査などの活動も行っている。 「ザ・クラリネット」(アルソ出版)、吹奏楽・管打楽器に関するニュース・情報サイト「Wind Band  Press」などに記事を寄稿。 著書『音大に行かなかった大人管楽器奏者のための楽器練習大全』(あーと出版)を2023年8月に発売。Amazon「クラシック音楽理論」カテゴリーにて三週間連続ベストセラー第一位を獲得。 BODYCHANCE認定アレクサンダーテクニーク教師。 日本ソルフェージュ研究協議会会員。音楽教室N music salon 主宰。管楽器プレーヤーのためのソルフェージュ教育専門家。クラリネット奏者。

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