「ラクにたくさん吸うにはどうやったらいいですか?」
というご質問をいただきました。
呼吸については管楽器吹きなら誰でも気になることですね。
空気を吸い込むというのは、普段は人間の生命維持のための不随意な(考えなくてもやっている)働きです。
わたしたちはこれを楽器演奏に利用したいので、吸うときに快適に行いたければ吐くことも考慮に入れる必要があります。
今回は人体の構造に沿った呼吸の仕組みを具体的に体験してみましょう!
まず最初に身体のコントロールの精度を上げて演奏に有利な状態を作るために、頭が脊椎の上で自由に動けるようにしておきます。
その上で、
1、最初に息を吐けるところまで吐いてしまいます。
*最初に吸うのではないところがポイントです。
2、吐ききったと思ったら3秒そのまま息を止めています。
3、苦しくなるので息を止めるのをやめます。
4、息を止めるのをやめると勝手に空気が肺に流れ込んできます。
*この時にわざわざ息を吸い込む必要はありません。
5、自然に肺に入ってきた空気をまた吐き切ります。
6、2に戻る。
これを何度か繰り返します。
そうすると自然に入ってくる空気の量はだんだん増えていきます。
呼吸のウォーミングアップですね。
アレクサンダーテクニークで「ウィスパード・アー」(ささやきのアー)と呼ばれている方法の応用です。
これはトレーニングではなく、人間が生きている限り常に行なっている呼吸の動きを意識するためのものです。
普段、空気は吐いたらその分また吸う必要がありますが、それはいちいち考えなくても勝手に身体がやってくれるもの。
お腹を何とかして肩をどうこうして、なんて毎回考えてなきゃ呼吸できない人はいませんよね。
それどころか吸気の助けになる筋肉は存在しないお腹で吸う時に何かしようとしても、できるのは吸気の邪魔だけです。
このやり方は呼吸の動きによって肋骨や背骨が動かされることによって、軸より末端に近い腕や指の動きも良くなるという都合のいいおまけ付き!
呼吸のためにできることを探しているなら、ぜひ試してみてくださいね!