「横隔膜を下げて!」とか「横隔膜で息を吸って!」なんてひと昔前にはよく耳にしましたが、実際に横隔膜がどんな形状でどこについていてどんな動きをするか知っていますか?
尋ねてみるとプロ奏者でもその辺の知識は曖昧だったりすることもあるもの。
まあ演奏の専門家はイコール解剖学の専門家でも身体の使い方の専門家でもないので自身で不都合がなければそれで問題はありません。
とはいえ誰かにその使い方をレクチャーするときには自分にとってうまくいく表現だけでなく実際の構造や仕組みを知っておくと相手によって色んな伝え方を工夫できるので便利です。
横隔膜はお腹のあたりになんとなくあるものではなくて、肋骨の淵にくっついていて空気の出入りする胸の部分と内臓が詰まったお腹部分を仕切っている薄い筋肉です。
ドーム型になっていて、呼吸でそのドームが深くなったり浅くなったりします。
ドームが一番浅くなって下がった低いところにある時も肋骨より下まではさがれません。
動画では最初に緑色になっている筋肉が横隔膜で、背中側から肋骨越しに覗いてる構図です。
この横隔膜は呼吸の反射で動くだけで自分の意思で動きをコントロールすることはできないと言われていましたが最近では意図して動かすこともできるということも言われています。
人体にはまだまだ解明されてないことがたくさんですね。
この横隔膜、肺に空気が入って下に降りるときにさらにその下にある胃や腸など内臓を圧迫します。
押されて行き場のなくなった内臓はお腹や背中や骨盤の中に追いやられます。
それで息を吸うとお腹周りが膨らんで見えるのですね。
お腹が膨らむから空気が肺に入るのではなく、空気が肺に入るからお腹周りが膨らんで見えるというわけ。
単に順番の違いのようですが、息を吸うために先にお腹を膨らますなんておかしなことをしてしまうとあちこちで無駄に力んだ筋肉が空気が入ってくるのを邪魔します。
どうでしょう。
思った通りの形・動きでしたか?
身体についての知識が正確になると動きが明確になって奏法に無理が出にくくなるし、レッスンのときも説明があやふやでなくわかりやすくなりますね!
ぜひ参考にしてみてくださいね!