アナリーゼ ソルフェージュ レッスン 合奏・アンサンブル 練習

歌ってみるときのコツ

合唱を取り入れている吹奏楽がとても綺麗にハーモニーを作れるということでしたが、ただ単純に声で合わせて曲を通してみれば良いというものではありません。

耳を使わず自分のパートだけを単旋律で追いかけたりしていてはわざわざ声でやってみる意味がないですからね。

有吉尚子です。こんにちは!

歌でハーモニーのトレーニングをするときに着目したいポイントはどんなところだと思いますか?

20160910_200244

まず、全体でどういうハーモニーが鳴っているのか把握することです。

そしてチューナーではなく自分の耳で、ハーモニーが純正になって透き通っていくポイントを探してみましょう。

次々に色んな和音に移らず一つの和音だけで合った時と合っていない時の違いを体験するのもいい練習になります。

音程コントロールは楽器でやるより声の方がずっと簡単なのですぐに感覚がつかめるはずですが、そのハーモニー作りの手法としてとても簡単でオススメな「分離唱」というのがあります。

これは佐々木基之さんという音楽の先生が始めたメソッドで、和音の中で一つの音だけを取り出して歌ってぴったりハマるポイントを耳で探す練習が土台になっています。

ぴったりハマるポイントは長三和音なら3度は13.69セント平均律の真ん中より低く、5度なら1.96セント高くしたところですが、そんなことを全部のハーモニーで演奏中に考えてコントロールするのは実質不可能です。

それにチューナーで調べてこの運指ならぴったりだ!なんていうのを決めていても根音の奏者がその日の都合でほんの少し高めや低めに来たらもう対応できなくなってしまう、なんてこともバカバカしいですね。

頭でっかちに理論だけ知っていても実際の演奏で使えなければ知らないのと同じですし、理論は知らなくても実際に現場で使えればそれでいいわけです。

分離唱では理屈ではなく耳で聴いて自分で気持ちいいと思うポイントを探すことでお互いの音の傾向やその日の状態なども含めてお互いに反応し合いながら純正なハーモニーを作る、ということを大事にしているそうです。

そもそも耳で聞いて気持ちいいというのを理論化したものが音楽理論なので先に理屈だけ生徒さんに教えてしまっても中身が伴わないと意味がないんですよね。

せっかく合唱をやるならただ曲を通すだけでなく分解して丁寧に楽器を使っては普段できないようなところを見ていきたいですね。

分離唱、興味があれば調べてみてくださいね!

完全無料

*ezweb・vodafone・softbank.ne.jp・hotmailからのご登録の場合、文字化けやメールの配信エラーが大変多くなっております。恐れ入りますが、それ以外のアドレスからご登録をお願いいたします。

  • この記事を書いた人

有吉 尚子

1982年栃木県日光市(旧今市市)生まれ。小学校吹奏楽部にてクラリネットに出会い、高校卒業後19才までアマチュアとして活動する。20才のときに在学していた東京家政大学を中退し音大受験を決意。2003年洗足学園音楽大学入学。在学中から演奏活動を開始。 オーケストラや吹奏楽のほか、CDレコーディング、イベント演奏、テレビドラマBGM、ゲームのサウンドトラック収録など活動の幅を広げ2009年に洗足学園音楽大学大学院を修了。受講料全額助成を受けロシア国立モスクワ音楽院マスタークラスを修了。  及川音楽事務所第21回新人オーディション合格の他、コンクール・オーディション等受賞歴多数。 NHK「歌謡コンサート」、TBSテレビドラマ「オレンジデイズ」、ゲーム「La Corda d'Oro(金色のコルダ)」ほか出演・収録多数。 これまでに出演は1000件以上、レパートリーは500曲以上にのぼる。 レッスンや講座は【熱意あるアマチュア奏者に専門知識を学ぶ場を提供したい!】というコンセプトで行っており、「楽典は読んだことがない」「ソルフェージュって言葉を初めて聞いた」というアマチュア奏者でもゼロから楽しく学べ、確かな耳と演奏力を身につけられると好評を博している。 これまでに延べ1000名以上が受講。発行する楽器練習法メルマガ読者は累計5000名以上。 現在オーケストラやアンサンブルまたソロで演奏活動のほか、レッスンや執筆、コンクール審査などの活動も行っている。 「ザ・クラリネット」(アルソ出版)、吹奏楽・管打楽器に関するニュース・情報サイト「Wind Band  Press」などに記事を寄稿。 著書『音大に行かなかった大人管楽器奏者のための楽器練習大全』(あーと出版)を2023年8月に発売。Amazon「クラシック音楽理論」カテゴリーにて三週間連続ベストセラー第一位を獲得。 BODYCHANCE認定アレクサンダーテクニーク教師。 日本ソルフェージュ研究協議会会員。音楽教室N music salon 主宰。管楽器プレーヤーのためのソルフェージュ教育専門家。クラリネット奏者。

-アナリーゼ, ソルフェージュ, レッスン, 合奏・アンサンブル, 練習

Copyright © 2022 聴く耳育成協会 All Rights Reserved.