ちょっと前ですがわたしは5年ほど認知症の祖母の介護を一人でやっていた時期がありました。
一昨年93歳で亡くなりましたがその時期は本当に大変でした。
洗濯機はゴミ箱と間違えて紙くずを入れてしまうし、
ご飯は味が硬さが気に入らないとお菓子ばかり食べてしまうし、
出かけるとなれば迷子になって帰ってこられないので警察に捜索願いを出さなきゃならないし、
ひとりじゃ出かけられないからと付き添っても何もない道で転んで救急車を呼ぶことになるし、
そんな思わぬケガをしてしまうとアザが残ってしまいやすいからわたしが虐待してるのじゃないかと調査の人が来たりするし。
そして何より同世代は恋愛や結婚子育ての話題ばかりでまだまだ介護なんて全く共感してもらえないのも辛いところ。
本当に本当に大変でした。
そんなときって練習したかったり仕事があったりしても人の命に関わることだから優先せざるを得ないのですよね。
この記事を読んでる方にもそういう介護や子育てなど自分が好きで大切に思ってる音楽よりも優先せざるを得ない事情を抱えた方はたくさんいらっしゃるでしょう。
合奏では楽譜に書いてあることは吹けるようにしておかなければ周りに迷惑になってしまうし、
個人レッスンなら事前にしっかり練習していかないとせっかくのレッスン時間に先生に譜読みに付き合ってもらうことになってしまうからもったいない。
とはいえ平日は仕事だし土日は楽団の練習が入ってるし時間が取れないかも・・・。
連休は練習できるかと思ったけど家族で旅行にも行きたいし作りおきのおかずもたくさん仕込んでおきたいし、意外に自分の時間が取れない・・。
練習した方がいいのはわかってる。
でも年取った親の通院に付き合ってあげなきゃ心配だし・・。
なんていう音楽よりも優先しなきゃならないこともあるでしょう。
そういう状況では「練習できない」ということに罪悪感を持ちつつもどうしようもなかったりするのですよね。
そんな練習できないプレッシャーを感じてるのはあなただけじゃないんですよ。
「プロを目指すなら親の死に目に会えない覚悟をしろ」なんて言われた時代もありましたがそんなバカな話はありません。
自分の人生で大切にしたいものを大切にすることの一体何がいけないんでしょう。
日々忙し紛れになってしまってるような気がするとしても、それはあなたがちゃんと優先すべきと感じることを優先して大切に人生を行きている証拠だと思います。
かなり頑張っていますよね。
たしかにレッスンは事前に自分でやってみたことの方向性が正しいか行きたい方に近づいているか、そんなことをチェックするために使うととっても有意義なのは確か。
でも事前に準備ができなかったら何も意味のない時間になってしまうかというと、そんなことはありません。
スケールしか吹けなくたって音の聴き方の精度を上げたり、
発音やブレスコントロールの新しいアイデアをもらったり、
譜読みの仕方をもっと効率的に音楽的にできるようリニューアルしたり、
できることはたくさん。
どんな状況でも一人でやる以上の有意義な内容のレッスンをするのが専門家というもの。
困ったときには頼ったっていいのですよ!
もちろんしっかり準備してきてさらに一歩進むアイデアを得るというのもひとつの学び方。
でもそれだけじゃありません。
初見で吹けるようなシンプルな素材を使ったとしたって一人じゃ気づけないような発見はたくさんあるものなのですよ!
レッスンを受けようか迷っているならわたしのところじゃなくてもぜひぜひ安心して学びに行ってみてくださいね。