有吉尚子です。こんにちは!
今回は聴くと耳の良くなる音源としてヴァイオリン奏者、ダビット・オイストラフのCDをオススメしたいと思います。
ハイフェッツやミルシュタインも教えたレオポルト・アウアーという名指導者に習った1908年生まれのロシアの奏者で、モスクワ音楽院で教えていて第二次大戦中も演奏活動をしていたというヴァイオリニストです。
モスクワ音楽院はわたしもちょっとだけ行ったことがあるのでその時見た雪の積もったチャイコフスキーの銅像なんか思い出すとこういう偉大な奏者も目にした光景なんだなとちょっとワクワクしてしまいます。
リズムや和声や解釈が素晴らしいというのはもちろんですが、一つ一つの音の取扱いが丁寧なのにすごくエネルギッシュで迫力もありどの作品もひとつひとつ違って全部の瞬間を活き活きとキラキラとさせています。
わたしは初めは習っていた先生に音楽的な価値観を作るために勧められて聴いたのですが、これはどんなものを聴いたり演奏したりするのにも基準として知っておく必要がある演奏だなと今も感じます。
録音物はたくさん出ているのでオイストラフの演奏はもう手当たり次第に聴いても良いくらいだと思いますが、色んな時代の色んな作曲家の作品を収録しているこのセットはなんと17枚も一箱に入って5000円しないというものすごくお得なものなので、とにかく手元に置いておくのにうってつけだと思います。
こういうバランスが良くて教育的にも価値のある演奏は毎日流し聴きするだけでも耳に馴染んでいって良い演奏が自分の当たり前になっていきますね。
アイデアを自分の表現の引き出しにストックするというだけでなく、音楽的価値観そのものを作るのに役に立つ音源だと思います。