金管楽器のマウスピースのプレスやリード楽器のアゴの噛み具合、キーや弦を指で押さえる力加減、また楽器を構えた時の背中の反り具合など、感覚的なフィードバックに頼ることってありますね。
有吉尚子です。こんにちは!
最初に楽器を持つ時は
「大体これくらいの強さで圧力をかければいいのね」
なんて感覚を頼りにして覚えがちです。
とても良くあることで、それ自体は全く悪いことではありません。
では、その感覚ってどれくらいアテになるのでしょうか。
初めのうちはそういう筋肉の感覚は頼りになりますが、ずっとそれに頼るというのは奏法のバランスを崩してしまう危険もあるのです。
それってなぜでしょうか。
それは、筋肉は働けば働くほど強くなるからです。
「これくらいの強さで圧力をかければいいはず!」
と思っていると、
その圧力をかけている感じを得るのにはどんどん強くしていかなければ筋感覚としての
フィードバックは返ってこないのですね。
続けていってその動作に慣れるとだんだん
「あんまり力が入ってない感じがする」
という感じ方になるわけです。
さらにもうひとつ、感覚にずっと頼れない理由があります。
それは、痛みや圧力としての感覚は感じ続ければだんだん鈍くなるということ。
初めにこれくらいだな、と思って覚えた圧迫感や痛みは、慣れてくるとあまり感じなくなってきます。
初めは重かった荷物が何日かするとだんだんなんともなく持ち歩けるようになるのと同じこと。
圧迫感や痛みを頼りに奏法を考えていると、その痛みや圧迫感を感じられるようにどんどん強く刺激を加える必要が出てきてしまいます。
例えばリード楽器でどんどん重い仕掛けにしていってしまうような泥沼はこんな理由ではまるのですね。
では何を頼りに奏法をコントロールしたら良いのでしょうか。
長くなるので続きはまた次の記事で!