今回は演奏に関わるボディ・マッピングの本をご紹介します。
ボディ・マッピングというのは、自分の身体の構造と働きを正しく理解して、怪我や無理なく効率的に使うというコンセプトのメソッド。
アレクサンダーテクニークは不必要な緊張を引き起こす思考とか勘違いを含めて心身全体を取り扱いますが、ボディ・マッピングは主に身体の構造面のお話です。
身体の実際の構造を知ってケガをせず効率的に動かすことでより良いパフォーマンスをするために、参考にしていただけましたら幸いです。
演奏家の身体についてのおすすめ本
まずは歌い手さんのためのボディ・マッピング。
声楽家の方々は楽器がないので、自分の体をどう取り扱うかが出て来る音にとても影響します。
だから同じく呼吸を使う管楽器吹きに比べて、ずっとたくさん身体のことを勉強している方が多いです。
この本は歌い手さん向けに出版されてはいますが、呼吸の仕組みや身体の共鳴のことについても丁寧にわかりやすく説明されているので管楽器奏者にもオススメです。
以前ご紹介した身体についての本は専門的に学んだことのある方向けでしたが、この本は初めての方でも問題なく読めるでしょう。
画像付きの身体の仕組みの辞書として、一冊持っておくと便利です。
「やってみましょう!」というすぐに試せるエクササイズがたくさん載っているので、チャレンジしてみるのも興味深く楽しいですよ!
気になる方はぜひどうぞ。
【歌手ならだれでも知っておきたい「からだ」のこと】
メリッサ・マルデ/メリージーン・アレン/クルト=アレクサンダー・ツェラー著
呼吸の仕組みのおすすめ本
次に、演奏者のボディ・マッピングについての本。
そもそもボディ・マッピングは、アンドーヴァー・エデュケーターズという組織の提唱するもので、この本では脊椎から手足、胴体の呼吸に関することなど、音楽家に役立つ解剖学的な内容がありがちな勘違いの紹介と共にとても簡潔にわかりやすく図も見やすく作られています。
とはいえ、そもそもアレクサンダーテクニークを知らないとこの本は少し読みにくいかもしれません。
私はアレクサンダーテクニークを知る2年ほど前に一度読みましたが、日本語で子供でもわかる簡単な文章なのに内容がさっぱり理解できないことに驚きました。
その後にアレクサンダーの仲間と話してみたところ、みなさんこの本だけでは最初は意味がわからなかったとのこと。
わたしがバカなだけじゃないとわかってほっとしました(笑)
なぜ読んだだけではわかりにくいかというと、簡潔にするために少ない文字数になっているのですが、それが一度でもアレクサンダーテクニークを経験したことがあるという前提での解説のようなのです。
今改めて読んでみると「書いてあることはどれも当たり前すぎる」と思うくらいすっかり理解できますが、初めての方にオススメする本ではないかもしれません。
とはいえ、この記事を継続的に長く読み続けている方や、アレクサンダーテクニークに限らず身体の仕組みなどの講座に参加されてる方にとっては復習・自習素材としてシンプルでとても読みやすいので良い内容だと思います。
レッスン時の解説用の図としても使いやすく便利だと思います。
興味深い本なのでご紹介しますね。
『音楽家ならだれでも知っておきたい「からだ」のこと』
バーバラ・コナブル著
誠信書房より