複雑なパッセージを「指に覚えさせる!」なんて思って練習していませんか?
指に覚えさせたつもりで本番では指任せにしていたら普段は間違えないようなところでこんがらがってミスをした、というのは結構あるあるかもしれませんね。
これ、指の記憶が甘かったのでしょうか。
もっと練習しておいたら指が自動運転になって間違えなかったんでしょうか。
実は自動運転なつもりで指をどう動かすか考えるのを止めたために動作の意図があやふやになって間違えたのかもしれませんよ。
何かモノを覚えるのは言うまでもなく脳です。
呼吸で空気はお腹ではなく肺に入るのと同じ、当たり前な身体の仕組みですね。
練習によって指が無意識でも動くような習慣動作にすることはもちろんできますよね。
でもそれは指自体が動作を覚えるのではなく脳がそういう動きとして記憶するんです。
指の練習は指を動かす特訓ではなくどんな風に指を動かすか考えるスピードを上げていく思考の慣れを作るものでもあるんですね。
何の意図もなしに指が勝手に動くというのは神経のトラブルの可能性があります。
音楽を演奏するのに何の意図もないというのはおかしなことですよね。
指の練習をするとき以外にも「身体で覚える」なんて思った場面ではどんな意図を持つのか考えてみたいものですね。