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本番での緊張対策あれこれ

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大事な本番前に緊張したり不安になったりすることは音楽家に限らずよくあることでしょう。

緊張したとしても「大事な場面はうまく切り抜けたい」「なんとか成功させたい」そういう方のために、今回は緊張してしまったときにどんな対処法があるのかを見ていきましょう!

失敗しそうで不安なとき

指の難しいややこしいフレーズを吹く、一人だけ目立って演奏する、そんなときはつい緊張してしまうことは多いでしょう。

そんなとき、頭の中ではどんなことを考えているでしょうか?

「練習通りにできるかな?」

「あの音のときの人差し指がポイントなんだったな。」

「とにかくがんばる!」

など、テクニックや身体の面でのことが意識の大半を占めてはいることが多いかもしれません。

でもあなたは別にテクニックが上手くいってることを見せたくてステージに出るわけではありませんよね。

ではテクニックを見せびらかすことではなく何がしたくてステージに立っているのでしょうか。

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考えていることが演奏を作る

そもそも最初は作品の良さをお客さんと分かち合ったり、仲間と一緒に演奏を作り上げる楽しさを味わいたかったり、などがきっと演奏する上での本当の目的だったのではないでしょうか。

指をどう動かすか息をどう吹き込むか、そういうことにばかり意識がフォーカスしていると、もっと大切な【どういう音を出したいのか】【どんな音楽を作りたいのか】ということを忘れてしまいがちかもしれません。

身体は脳からの指令で動くもの。

どういうフレーズをどういう風に演奏したいのか、それが意図から抜けてしまうと指や身体を上手く使って何をしたいのか緊張したときにはわからなくもなっても不思議ではありません。

つまり指のことが心配で、たくさんその箇所を練習して、本番でも指のことを忘れずに演奏するほど何をやってるかわからなくなってミスをする、ということが起こるのです。

大事な本番のときにはっきりさせておきたいのは、何をどう演奏したいか。

指をどう動かしたいか、息をどうするか、ということだけではありません。

気をつけてみると緊張のコントロールスキルがあがるかもしれませんよ。

 

練習通りのショボい演奏

たくさん練習を重ねてきたのだから「本番では練習した通りに!」「平常心で落ち着いて!」と思ってしまうのは普通のこと。

でも実はこれ、失敗を招いてしまう可能性のある言葉なのです。

もちろん本当に練習の通りに出来たら大事故は起こらないでしょう。

でも練習の通りレベルを目標にしていたら大成功はできないし、お客さんにワクワクしてもらうのも難しいもの。

感動なんて到底引き起こせず「ふーん、それで?」と思われるだけになってしまうかもしれません。

 

「本番が一番良かった!」を目指そう

実際のところ本番は練習とは状況が違います。

ステージはいつもの練習室ではないし、スポットライトは普段浴びていません。

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たくさんのお客さんもいつもは目の前にはいない。

一回限りでやり直しはできないというのも普段の練習とは違います。

ちょっと考えただけでこんなに日常と違うことがあるのに、それから目をそらして見ないフリをしては、起きている現状の認識がちゃんとできないようにするようなもの。

現状認識ができなければ予想外のことが起きたときにパニックになって変なことをしてしまうのは当たり前です。

本当は普段と違うものから目をそらしたいのではなく、慣れない状況で起きる色んなことに適切に対応したい場面ですよね。

では本番に向かうときにどんなことを考えたいでしょうか。

 

ハイパフォーマーが本番前にやっていること

話が変わるようですが、フィギュアスケートのコーチが本番のパフォーマンス直前で選手にどういうことをしているか見たことはあるでしょうか?

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選手と一緒に気分を盛り上げてテンションも上げているところがよく見られるでしょう。

アドレナリンがたくさん出てしまうとドキドキして緊張してしまうのでは?などの心配は無いようです。

むしろアドレナリンというのはとっさのときに対応する筋力や反射のスピードを上げたり、注意力があちこちに行き届くようにするために役に立つもの。

いつもと違う場面で色々アンテナを張って、入ってきた情報にすぐに対応するために味方になってくれるもの。

それを「平常心で落ち着いて」と制御しようとしてはもったいないのです。

「本番が今までで一番良い演奏をできた!」なんていうミラクルが起きることはたまにありますが、あれはアドレナリンが適切に使われた結果。

そう考えると自分にかける言葉も「いつも通りに落ち着いて!」よりは「本番の演奏を楽しんで!」など建設的で現実に即したものになるのではないでしょうか。

 

緊張に備える方法

緊張した時にはつい落ち着こうとしたり震えてる手を抑えて動きを止めてみたりしがちです。

緊張していることに気付いたときはその緊張からの反応をどうこうしようとするよりも演奏を通して本当にしたいことについて考えることも良いですよ!

そうは言われても緊張してる本番中まさにその時に何を考えるかなんてコントロールするのは難しいと感じるかもしれません。

でも。

事前の準備次第でコントロールすることは可能なのです。

「本番のホールはどんな広さかな?」

「残響はどれくらいあるだろう」

「出演メンバーは誰だっけ」

など本番の状況を具体的に想像することはできるでしょうか。

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具体的に状況が想像できてドキドキしてきたら、どんなことを考えて演奏を始めたいかを考えてみましょう。

ステージでやりたいことは「練習の通りミスなく」や「震えを隠す」なんてことではありません。

・お客さんに作品の良さを紹介する

・応援してくれる人に頑張ってる姿を見てもらう

・会場全体で楽しい空気を共有する

などなどパフォーマンスでどんなことを目指すかは人それぞれでしょうが、本番のときだけ「これを考える」と決めたことを思い出すよりも普段の練習のときに本番で考えたいことを思い出すってことをやって慣れていたらどうでしょう。

とっさのとき、すぐに出てくる反応や思考は普段からやっていて一番慣れているものです。

 

思考の練習が大切

本番のステージで本当にしたいことは何なのかということを明確にしてそれを思い出すことに慣れておく、というのはとっさの反応が必要なときにとても役に立ちます。

演奏中に思い出したいことや考えたいことを紙に書いて譜面台に置いたり楽譜に何かわかりやすいマークを書いたりするのもまた役に立つアイデアの一つですね。

何度か本番を想定した練習で思考を選択することができたら、それが慣れた思考として定着していきます。

繰り返し思考を選ぶ練習をしておくことはいざ緊張したときにどう振る舞うかを左右する大切な準備の一つです。

ぜひ取り入れてみてくださいね!

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  • この記事を書いた人

有吉 尚子

1982年栃木県日光市(旧今市市)生まれ。小学校吹奏楽部にてクラリネットに出会い、高校卒業後19才までアマチュアとして活動する。20才のときに在学していた東京家政大学を中退し音大受験を決意。2003年洗足学園音楽大学入学。在学中から演奏活動を開始。 オーケストラや吹奏楽のほか、CDレコーディング、イベント演奏、テレビドラマBGM、ゲームのサウンドトラック収録など活動の幅を広げ2009年に洗足学園音楽大学大学院を修了。受講料全額助成を受けロシア国立モスクワ音楽院マスタークラスを修了。  及川音楽事務所第21回新人オーディション合格の他、コンクール・オーディション等受賞歴多数。 NHK「歌謡コンサート」、TBSテレビドラマ「オレンジデイズ」、ゲーム「La Corda d'Oro(金色のコルダ)」ほか出演・収録多数。 これまでに出演は1000件以上、レパートリーは500曲以上にのぼる。 レッスンや講座は【熱意あるアマチュア奏者に専門知識を学ぶ場を提供したい!】というコンセプトで行っており、「楽典は読んだことがない」「ソルフェージュって言葉を初めて聞いた」というアマチュア奏者でもゼロから楽しく学べ、確かな耳と演奏力を身につけられると好評を博している。 これまでに延べ1000名以上が受講。発行する楽器練習法メルマガ読者は累計5000名以上。 「ザ・クラリネット」(アルソ出版)、吹奏楽・管打楽器に関するニュース・情報サイト「Wind Band  Press」などに記事を寄稿。 現在オーケストラやアンサンブルまたソロで演奏活動のほか、レッスンや執筆、コンクール審査などの活動も行っている。 BODYCHANCE認定アレクサンダーテクニーク教師。 日本ソルフェージュ研究協議会会員。音楽教室N music salon 主宰。

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