練習や何かものごとはダラダラ進めるより、手順と内容を決めてテキパキと片付けてしまう。
その方が決断回数が減って脳への負荷が減るということで、疲労度合いを軽減できるのかもしれません。
でもこれ、考えてみたら思考のエネルギーだけでなく身体の動きについても同じようなことが起きている可能性もありますよね。
例えば体力節約にと思ってダラダラ歩くと、ウォーキングのように元気に歩くよりもむしろ疲れる。
そんなことを体験したことはないでしょうか。
また、グデっとしながら立っている時とシャキッとして立ってる時、長時間元気でいられるのはシャキッとしてる時の方ですよね。
これは使っている筋肉の違が違うというのが理由の一つ。
わかりやすく魚で考えてみましょう。
例えばマグロのようなずっと泳ぎ続ける魚は、動きながらも疲れないように血液が循環する仕組みのために赤身になるそうです。
呼吸のために泳ぎ続けて水中から酸素を取り込むので、疲れて泳げなくなってしまえば死んでしまいます。
だから赤身の魚は持久力があります。
その代わりあまり機敏な瞬発力の必要な動きは得意ではありません。
反対にヒラメなどの白身の魚は、敵から身を隠してじっとしていたり、食べられてしまいそうになったら素早い動きで即座に逃げなければなりません。
そのためゆったり動き続ける持久力より、瞬間的に大きな力が必要です。
白身の筋肉は瞬間的に力を使ったらすぐに酸素(エネルギー)切れになって疲れてしまうそう。
この赤身と白身は人間の筋肉にもあって、わたしたちはそれを使い分けています。
例えば、ずっと動き続ける心臓の筋肉や、立っていたり椅子に座ってるときに崩れ落ちないよう姿勢維持をするのは赤身の割合が多い筋肉です。
この赤身の筋肉は身体の深いところにあって、疲れはあまり感じません。
人間生きている間は心臓が疲れたからって動くをやめたりはしませんもんね。
反対に大きな力を瞬間的に使える白身の割合が多い筋肉は、身体の表面に近いところにあって、これは使うとすぐに疲れてしまいます。
深層にある赤身の姿勢維持筋がサボって働かないでいると、疲れやすい浅層の筋肉が頑張る必要が出てきます。
一見脱力していてダラっとした姿勢の場合は、姿勢維持の疲れない筋肉の代わりに外側の疲れやすい筋肉がたくさん働いているということ。
また演奏時は、外側の強くて瞬発力のある筋肉は、吹き込みや楽器のコントロールに使いたいもの。
それなのにすでに姿勢調整のために働いていたら、うまく使えませんしすぐにヘトヘトになって疲れてしまいます。
姿勢調整のためには赤身の筋肉があるのでそっちを使って、演奏動作のための筋肉はフリーにしておきたいものですね。
そしてシャキッとした姿勢を作るために、外側の疲れやすい筋肉を使っていたら全く意味がありません。
知っておくと日常動作でも気をつけられることが見つかるかもしれませんよ。