「緊張」に興奮と怯えの2種類があってどちらを感じているかによって対処法は変わってくるのと同じように、緊張していない場合にも「リラックス状態」と「気乗りがしない状態」の2種類があるものです。
今回はやる気が出ない気乗りがしないのに本番がある、そんなときにどうしたらいいかを考えてみましょう。
リラックスして本番に備えている時
良い緊張と悪い緊張があるのと同じで緊張をしていない状態にも良いケースと悪いケースがあるのですが、ひとつめの緊張してないケースとしてはリラックス状態にあるとき。
充分に準備ができていて不安もなく怯えても焦ってもいない、本番で演奏することを楽しみにしてワクワクしている状態。
これはどう考えてもこれから質の高い演奏するための準備ができた良い状態です。
一言でリラックスといってもソファでくつろぐような状態ではなく、興奮を伴った本番のためのアイドリング状態のことですね。
色んなところにアンテナを向ける余裕があって本番での新たな発見や突発的なできごとにも対応できる、お客さんの反応やホールの残響で奏法を微調整することもできる、とても良いコンディションです。
これについて何か変えたり対処したりということは不要です。
やる気が出ないとき
では逆にあまり良くない緊張をしてない状態についてみてみましょう。
例えば、やる気が全く湧いてこなくてうんざりしている状態。
全然練習ができていなくて「上手くいくわけがない」とすっかり諦めている状態。
疲れ切っていてヘロヘロ、エネルギーが足りていない状態。
こういう緊張してない状態では良いパフォーマンスになるわけがありません。
まずは本番を迎える前に充分身体と心を休めておく、不安にならないために必要だと思う練習をしておく、そういう準備段階で出来ることはやっておくのが良いでしょう。
それでもどうにもならず何ともやる気の湧かない状態で本番を迎えることになってしまった場合はどうしたら良いのでしょうか。
やる気を出す方法
ひとつの解決策は「とにかく他のことは忘れて今だけなんとか乗り切ろう!」と気合を入れ直すこと。
全然やる気が出ない状況でも本番のステージに立とうとやってきたのはあなた。
もし本当にどうでもいいならそもそも当日行かないでしょうし、信用を失うなどの問題は別にして事前にキャンセルすることだって理論上は可能でしょう。
疲れ切っていて一歩も動けないなら本番会場ではなく布団または病院に行った方がいいとわかっているはず。
それでも演奏をしにきたのは理由があるからですよね。
何をしに何のためにわざわざここまで来たのだろう?
ここで自分は何をしたいのだろう?
この問いは悪い緊張をしたときにもやる気が湧かないときにもどちらのケースでも役立つ自分の心への質問です。
頑張るのは数分だけ
それを思い出せたら次に本番の時間はどれくらいの長さか計算してみます。
30分、2時間、もしかしたら3分、その間だけ頑張れば良いのです。
終わったらお風呂に入ってビールを飲んでゆっくり休もう、団が合わないなら辞めると伝えよう、そのつもりでとにかく今だけ全力で乗り切りましょう。
こういうのもひとつのエネルギーコントロールのスキルというものです。
なんとか切り抜けた!の繰り返し
傍から見てもの凄いことをやってのける人はこの「今だけなんとか切り抜けよう」をたくさん積み重ねていることも少なくないもの。
いつも余裕を持って軽々とじゃなくてもいいのです。
ギリギリだけど何とかクリアした!
ダメかと思ったけど切り抜けた!
その繰り返しだとしても、それは自信にもなるし成功の積み重ねにもなるもの。
能力のギリギリ限界を攻めることはさらなる可能性を切り開くことにもつながったりもしますから。
「るろうに剣心」に出てくる飛天御剣流「天翔龍閃」(ひてんみつるぎりゅう、あまかけるりゅうのひらめき)と同じで自分を信じて踏み込む最後の一歩が行けるかコケるかの決め手になるのですね。(ジャンプ漫画好きです)
「もう無理かも・・」「やりたくない」と思ったときこそあと一息だけ全力でやってみる、これを積み重ねることは意外に人生を好転させたりする強い方向づけになるものですよ!