いつもなんだかめんどくさかったり不自由でやりにくいような動きが何かで腹を立ててる瞬間には不思議と軽々できてしまったり、とても間に合いそうにないと思って急いだら予定より早く終わったとかそんなことはありませんか?
わたしはそんなことって結構よくあるんですがみなさんはどうでしょうか。
普段はなかなか腰が上がらないことも怒ってるときや急いでいるときはなんてことなくこなせてしまう、それっていわゆる「火事場の馬鹿力」というやつなんでしょう。
そんな現象って不思議だと思うかも知れませんが、実は怒ってたり急いでたりするとのんびりくつろいでるときとは違った身体の使い方をしているんですよね。
たとえば。
「今日は寝坊して遅刻だからできるだけ急いで準備しよう!」そんなときにいつもよりゆっくり動く人はいませんよね。
動作は機敏になってるはず。
そして機敏になるために頭や背骨や他の身体のあちこちが動きやすくなっているのではありませんか?
怒ってるときも同じ。
「何度も植木に水をやってって言ったのに!」
そんなときは自分でさっさと水をやってしまうためにきっとテキパキと動けるでしょう。
これもアドレナリンやなんかで興奮して身体の動きが良くなっているパターンの一つですよね。
急いだり怒ったりしたときにのんびりグダグダ動く人は少なくて普通はどちらかというと活動的になっているのではないでしょうか。
では。
大切な本番で身体も楽器もいろんな複雑なコントロールをしたいような場面で「落ち着いてリラックスして」と自分に言い聞かせるのは役に立つでしょうか。
今の話の流れから行くと逆効果になりますね。
瞬間的な反応を求められたり微細な音や仲間の変化に気付く注意力を持っていたい時は「落ち着いてリラックスして」なんてやってる場合じゃありません。
人前での演奏はリラックスして落ち着いてできるほど簡単なことじゃありませんから。
実はピリピリしたり神経過敏のようになったりするのは演奏に役に立つことであり、いいパフォーマンスのために身体が準備していることでもあるんです。
そのせっかくの身体の準備を「落ち着いてリラックスして」と台無しにするなんてもったいない!
どうせならそのエネルギーを使ってパフォーマンスをさらに良くしてしてしまいたいものですね。