思考と心 練習

感じたように演奏するには

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楽しい曲を演奏するときや悲しい曲を演奏するとき、他にも描き出したい作品の表情というのは色々ありますが、それはどうやって表現しますか?

はたして楽しい気分で演奏すれば楽しい演奏になるでしょうか。

たとえば軽やかなスタッカートの曲を、軽やかな気分で軽やかな息で吹いたらどうでしょう。

スラーが書いてあるからとそのフレーズ内を全部同じ息圧でなめらかな吹き方をしたらどうでしょう。

軽やかなスタッカートを音で表現するためにはタイミングを狙うための集中力と、発音のためにはかなりの息の圧力が必要です。

ふわふわした息で吹いてしまっては音として発音される前にタイミングは通りすぎてしまいます。

 

レガートで音を繋いで吹きたいならひとつひとつ音によって違う楽器の機能性によって一音一音違うコントロールが必要です。

オクターブ違う音に進むのに前の音と同じ息で吹いたら音程がひどいことになりますし、場合によってはかすれてしまい音にならないことも。

以前アンサンブルで一緒に演奏させていただいた世界的なフルーティストさん(彼は大学の先生で、学生と一緒に演奏してくださるという企画でした)が、軽やかでふんわりした場面を表現するために驚くような息のスピードと圧力をかけて一音一音へのすごい集中力を持って演奏されていました。

それまで悲しい場面は悲しい気分を持って楽しい曲は楽しい気分で、そうすれば奏法も自然にそうなるかも。

なんていうあやふやな感覚で演奏していた学生時代のわたしはとっても驚いたし、狙った効果を出すために気分とは関係なく的確な楽器の操作をする必要があるというアイデアに刺激をもらったのでした。

ソルフェージュを師事した先生にも「悲しい曲で何のコントロールもされていない無神経な音を出してから悲しい顔を客席に見せたとしてもお客さんは笑うわね」と言われたことも思い出されます。

雰囲気と実際の操作を分けて考えること。

どうぞ試してみてくださいね。

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有吉 尚子

有吉 尚子

クラリネット奏者。 栃木県日光市出身。 都立井草高等学校卒業。2007年洗足学園音楽大学卒業。2009年同大学院修了。 クラリネットを大浦綾子、高橋知己、千葉直師の各氏に、室内楽を平澤匡朗、板倉康明、岡田伸夫の各氏に師事。 ミシェル・アリニョン、ポール・メイエ、アレッサンドロ・カルボナーレ、ピーター・シュミードルの各氏の公開レッスンを、バスクラリネットにてサウロ・ベルティ氏の公開レッスンを受講。 受講料全額助成を受けロシア国立モスクワ音楽院マスタークラスを修了。 及川音楽事務所第21回新人オーディション合格。 2010年より親子で聴ける解説付きのコンサ-ト「CLARINET CLASSICS」~クラシック音楽の聴き方~をシリーズで行う。 2015年、東京にてソロ・リサイタルを開催。 オーケストラやアンサンブルまたソロで演奏活動を行っている。 また、ソルフェージュや音楽理論、アレクサンダーテクニークなどのレッスンや執筆、コンクール審査などの活動も行っている。 音楽教室N music salon 主宰。

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